正社員と非正社員の格差はあって当然!?
「格差擁護派」の人々が考えていること
今週の『週刊ダイヤモンド』の特集「解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ」を、もう読んでいただいただろうか。センセーショナルなタイトルだが、先週このコラムで述べた「正社員のフリーライダー問題」に切り込んでいる。この連載の筆者の1人も、本特集に寄稿させていただいた。
筆者は発売初日からネット上の有名掲示板やツイッターを観察しているが、タイトルのインパクトの強さもあって、賛否両論、多くの意見が飛び交っているようだ。
それらの中に、面白いものがいくつかあった。簡単に言うと、「正社員と非正社員の間に格差はあって当然」という「格差擁護派」の意見である。
たとえば、「派遣社員が残業して、多くの仕事を必死でこなしている横で、『派遣社員を管理する』という名目の正社員がのんびりネットを閲覧していたり、その他の正社員は定時で帰ってしまう」というケースがあるとしよう。
格差擁護派の立場からは、「それの何がいけないのか?」という反論が返ってくる。
論理はこうだ。派遣社員は、その会社が派遣会社との契約で雇った「商品」であり、規約に違反していなければ「商品」をどう使おうが会社の自由だ。したがって、派遣社員が大変だろうが、その雇い主である会社の社員の振る舞いについてとやかく言われる筋合いはない――。
そもそも企業によっては、正社員が定時に帰れないからこそ、「残業要員」として派遣社員を雇ったケースもある。その場合、「残業を派遣社員に任せて定時に帰る正社員がフリーライダーだと言われるなら、派遣など雇えないではないか」というわけだ。