そして何より、「仕入れの抑制が一番効いている」と上山社長。例えばオリジナル品の商品化には原材料の調達から生産、物流、在庫の保管など、あらゆる面で手間とカネが掛かる。売れない物を作ることほど無駄なことはない。

 毎週金曜日に投資委員会を催し、業務推進部なる部を中心に各ブランドの型数や1型当たりの数量を綿密に調整。また定価での販売比率を増やすなどして利益を積んだ。

低過ぎる自己資本比率

 大規模リストラを一巡させた16年度は、既存ビジネスの強化で再成長を目指す。大量閉店後なので全店売り上げは減収を覚悟するも、来春に向け1000人規模の新卒採用を計画。ここ数年で各ブランドにおける内装の成功パターンを割り出しており、これに沿って300店規模で店舗改装も行う。仕入れについても、さらなる適正化で機会ロスを削減する。

 それでも同社が抱える大問題、財務の健全性の不安は簡単には消せない。収益が改善したとはいえ、15年度の自己資本比率は6.9%とあまりに低い。上山社長も「まだ自助努力の局面だが、どこかのタイミングで何らかの資本政策を考えないといけない」と語る。

 衣料品の販売不振が叫ばれるようになって久しい。大手や老舗の総合アパレルは業績が軒並み頭打ち。単独での成長戦略を描き切れなくなる恐れもある。一方で“新興勢”には着々と業績を拡大し、業界再編を狙う企業がある。ワールドとて、大リストラ後の一手にてこずれば、望まぬ相手に食われかねない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)