正念場を迎えた舛添都知事と
東芝に見る「意外な共通点」
意外と思われるかもしれないが、次から次へと不祥事が飛び出し、ついに与党からも見放され、その進退が注目されている舛添要一東京都知事と、やはり次から次へと不正会計問題が飛び出し社長の辞任につながった東芝に、筆者は共通する多くの教訓を感じている。
ポイントは、最悪の事態からの早期脱却を目指し、短期的にわかりやすい解決策を求めようとし過ぎることで、かえって問題の解決から遠のいてしまうということだ。
舛添都知事の一連の不祥事を受け、6月13日に行なわれた都議会集中審議では都知事がのらりくらりと答弁を行ない、それに対して与党公明党からも「辞職すべき」という言葉が飛び出した。6月14日午後の報道によれば、舛添都知事に対する不信任決議案が7会派から提出され、いよいよもう一方の与党自民党も不信任案に同調する運びになったという。それでも舛添都知事は「辞職には応じられない」としており、本日行われる本会議の行方に注目が集まっている。
一番の問題は、千葉のホテルで打ち合わせがあったのか、本当にその場に知事の言う出版社社長がいたのかという点について、都知事が「政治家の信義」という謎の言葉を用いて、一向に真実を明らかにしようとしないことだ。自らの進退が関わっている問題なのに、信義というより「真偽」のほどが怪しい。まるでウソをついた子どもが追い詰められて本当のことを言えなくなってしまっているようにも見える。少なくとも都知事の説明では、そう疑われても仕方ないだろう。いずれにしても、与野党全党から見放されたことで、舛添都知事失職の可能性が高まってきた。
かたや東芝についても、事態が室町正志社長の辞任に至ったのは、度重なる不正会計が次から次へとぽろぽろ表面化してきたことがきっかけとなった。