原因4:個人資本への制度的差別

 5月30日までの段階で、国務院が派遣した9つの民間投資監督調査グループは、中国18省(自治区・直轄市)で10日間にわたる大規模調査を行った。『21世紀経済報道』によると、各地で調査したグループからのフィードバック情報によれば、「個人資本への差別が民間投資不振のまたひとつの重要な原因になっている」という。

 各地の私営企業家たちが言うには、「PPPプロジェクト(Public-Private Partnership 公民が連携してサービスを提供するプロジェクト)は名目上、政府と社会資本との協力であるが、実際の運営においては、民間企業は往々にして参入が難しく、国有企業にすべてのチャンスが行ってしまう」とのことである。例えば、国務院が国有企業改革・改編への民営企業の参画を奨励・誘導する過程で、地方政府が「ゾンビ企業」解体を行うとき、国有企業へしか売却しようとしないという。

 取材を受けた企業の多くが、「政府を背景にもつ国有企業がプロジェクトに参画しているときは、リスクをコントロールしやすいとみられるが、民間企業はこの方面の保障に欠けるために、門外に締め出される」と語っている。例えば、中央政府がプロジェクト入札において不必要な参入条件をつけてはならないと、何度も強調しているのにもかかわらず、一部の地方政府はいまだ「測量製図甲級の資格」など必要とされない高い資格を参入条件とし、高い資格をもたない多くの民営企業を排除している。

 そのほか、一部の政府のプロジェクト入札募集や入札では、一つ100万元強のプロジェクト入札に対し、入札参加企業の登記資本金が5000万元以上という要求がつけられ、多くの中小民間企業を直接締め出している。

 さらに検証に値することとして、民間企業からの報告によると、一部の地方では、企業誘致、投資誘致の際には、企業は上座にたてまつられるが、プロジェクトが始まると、地方政府が約束した条件は実現されないとか、一部の省では関係する許可証をとる手続きが複雑で、行政効率が低く、このために企業のプロジェクト実施に支障をきたすなどの状況もみられるという。

 2020年までGDPの平均した成長率を6.5%以上に保つことは、L字型経済成長の目標であるが、民営企業が活発な投資をしなければ、効率の悪い国営企業だけでは本当にその目標に達成できるか大きな疑問が残る。しかし、今のところ、民間の力を生かしていく兆しはほとんど見えてこない。