青森の味

 青森の味は4つ。青森のにんにく焼き、青森のにんにくが入った餃子、十和田バラ焼き、せんべなべ。十和田バラ焼き(600円)は牛肉のバラと玉ねぎを甘辛いたれで焼いたもの。

「なんだ、ただの焼き肉じゃないか」と思われる方もいるだろうけれど、はなむらのそれを食べるとたれはかなり甘い味となっている。

 せんべなべは、いわゆるせんべい汁のこと。南部せんべいをしょうゆ味の汁で煮たもの。むろん、牛肉もしくは豚肉が入る。

 佐藤は「青森の料理も出るよ」という。

「十和田バラ焼きは人気があるね。ほら、B級グルメで優勝したでしょ。あれ以来、食べる人が増えた」

 そう話しはするけれど、しかし、彼が自信を持っているのは肉料理のようだ。

「メンチカツもうまいよ。普通は合いびきを使うでしょ。でも、うちは豚のひき肉だけ。ひき肉も自分で挽いて作ったもの。豚だけのほうが甘いし、肉汁が出るんだ。あのね、いまは合いびき肉って内容を書かなきゃならないけど、昔は何の肉を使っても許された。豚と馬肉を混ぜたりしてたところはいくつもあったね。そうだねえ。牛でも豚でも鶏でも、いまや丸のままさばくことのできる料理人はいないよ。オレの自慢は人間とクジラ以外は何でもさばけること。でも、クジラはやれるかな。人間はどうかな」

 わたしは、佐藤はクジラはさばくことができると思う。 


「はなむら」

◆住所
東京都新宿区市谷薬王寺町77
※都営地下鉄大江戸線・牛込柳町駅から徒歩4分程度
◆電話
03-3267-5324
◆営業時間
11:30~14:00、17:30~23:30
第2もしくは第3日曜だけ休みで、
祝祭日も営業。ただし日曜は夜のみ。