ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しているということです!

「モノに愛情をそそぐ」と、
良い出来事が起こってくる

 子どものころに見たテレビ番組で、あるオリンピック選手は、「現役時代に、道具を抱きしめながら眠りについていたことがあった」…とおっしゃっていたと、記憶しています。

 道具は、自分の体の一部と同じで、「道具と、もっと一体になりたい」という愛着があるのだなと、子ども心に、感動しました。

また、メジャーリーグのイチロー選手が、小学生の「どうやったら野球がうまくなりますか?」の質問にたいして、「バットやグローブなどの道具を大切にすることだよ」と答えたというのは有名な話です。

 私もときどき、自著の本を抱きしめて眠ることがあります。

 自著は、私にとって「わが子」のような存在です。だから、子どもを慈(いつく)しむように、本にも愛情を注ぎたくなります。

 私は「直筆のPOP(ポップ)」を用意して、全国の書店を400回以上まわりました。

 友人から、「著者が自ら書店をまわるなんて、大変だね」と言われたこともありましたが、たとえ、大変だとしても、やめようと思ったことはありませんでした。

 わが子(本)を応援してくださる書店さんに、母親(著者)が、ご挨拶にうかがうのは、当然のことだと思っていたからです。

 元パイロットだった父は、引退するまでの38年間、フライト前は、必ず、操縦桿(そうじゅうかん)をなでながら、「今日もよろしく」と親しみを込めて語りかけていたそうです。

 命を預ける飛行機と心を通わせようとしていたのかもしれませんね。
私も、父の気持ちが、とてもとても、わかります。

 研修会場では、必ず、お世話になる会場に対して、「ひとりでも多くの方々の、お役に立てますように、今日は、よろしくお願いします」と語りかけます。