高齢者の資産運用四箇条

【第一条】 運用に歳を取らせる必要はない。

 巷の新聞・雑誌のマネー運用特集記事や、運用に関する解説書を見ると、高齢者には「高齢者向きの運用」があるかのような書き方をしているものが多い。

 雑誌の特集記事のようなものの場合、そもそも年代別にお勧めする運用方法と運用商品を提示するようなレイアウトを決めた上で、ファイナンシャルプランナーなどに取材や原稿を依頼するケースが多い。編集部がそもそも「年代別」というフレームワークに縛られているのだ。

 しかし、考えてみると、(1)どのように運用して稼いだとしてもお金はお金であり使い道は後から自由に決められるし、(2)若くても高齢者でも、またお金持ちでもそうでなくても、効率(リスクに対する期待リターンの効率)が悪い資産運用は嫌なはずだ。

 先入観を捨てて改めて考え直すと、お金の運用方法は、お金の使い道、お金の所有者の年齢、手持ち金額などから独立に決めることができるのだ。若者でも、高齢者でも、リスクを取る運用に投じる金額が人によって違うだけで、運用商品の組み合わせは基本的に同じものでいい。

 本人の「年齢」、「性別」、「投資経験」、果ては「性格」などの、「投資家のタイプ」によって、最適な運用と購入すべき運用商品が変わるという考え方は、高手数料のくだらない商品を顧客に売りつけるために運用・金融業界が世間にまき散らしている「商売のためのフィクション」なのだ。

 株式にせよ、投資信託にせよ、同じ時に同じものを持っていれば、誰が投資しても得られるリターンは同じだ。体力が落ちると、利益が減るというようなことはない。

「判断力さえしっかりしていれば」ポートフォリオにまで歳を取らせて、リスク水準を落とすようなことは必要ない。まして、「高齢者向きの運用商品」などというものは、金融セールスの世界にしか存在しないインチキだと思ってよい。