2009年5月から始まった家電エコポイント制度。ポイントの対象となる薄型テレビと冷蔵庫、エアコンの中でも、薄型テレビの売れ行きは関係者の想定をはるかに超えた。そこに12月以降ポイントが半減されることが発表され、売れ行きはさらに加速している。その現場に迫った。 

エコポイントが半減する12月までの残りの日数を強調した看板やポスターが所狭しと並ぶ家電量販店。写真は平日の昼間でも客が大勢詰め掛けているビックカメラ有楽町店
Photo by Toshiaki Usami

「12月からエコポイントが大幅に下がります。最大3万9000点が2万点になります。薄型テレビ、冷蔵庫、エアコンを買うなら今がチャンス!」

 来店客でごった返す大手家電量販店。そこに畳みかけるように、このようなアナウンスが連呼されている。また、売り場のそこかしこに「エコポイント減額!」のポスターが張り巡らされ、否が応でも購買意欲をかき立てられる。

 例年ならば10月は、12月のボーナス支給後に訪れる年末商戦を前に、静けさすら漂うはずの閑散期。にもかかわらず、今年は“異例の大にぎわい”となっている。

 無理もない。冒頭のアナウンスにあるように、12月1日からエコポイントがほぼ半分に減額されることになったのだ。そのため、家電エコポイント制度が終了する来年3月までに買い替えようと考えていた消費者が殺到している。

 冒頭の例でいえば、11月末までに46型以上の薄型テレビを買うと、エコポイント3万6000点と、家電リサイクルの加算分3000点を足した3万9000点を受け取れる。ところが、12月1日以降では、まったく同じテレビを買っても、エコポイントが半分以下の1万7000点となり、リサイクル加算を加えた2万点しかもらえなくなるのだ(下の図参照)。その差は大きい。

 ちなみに、売れ筋の32型は、エコポイント1万2000点が6000点へと半減する。また、3.6キロワット以上のエアコンは9000点から5000点へと半分強になり、501リットル以上の冷蔵庫は1万点から5000点に半減する。

 加えて、来年1月1日から制度が終了する3月末までは、リサイクル加算(テレビとエアコンが3000点、冷蔵庫は5000点)がなくなる。そして、エコポイントの対象となるのは買い替えのみとなり、省エネ基準も四つ星以上から五つ星のみと厳格化される。