過熱投資プロジェクトの数々が
2021年以降、日本経済を停滞へ導く

 2021年にふたたび経済崩壊が起きるとすれば、まず確実なことは不動産価格の下落だろう。何しろ今の時点で見ても、東京都心の不動産価格は異常である。新築の高級マンションの価格は一室1億円。以前は「億ション」と呼ばれてほんの一部の富裕層にしか手がだせなかった水準が、世の中の標準になっている。

 中古物件も高騰している。私の自宅は15年前に購入した都心のマンションだが、先ごろ同じマンションのある部屋が売りに出されたのでチラシを持ち帰ってみたところ、新築の時よりも2割高い価格で値付けされていた。私の家も今売れば、15年分のローン金利と15年分の管理費・修繕積立金を差し引いてもまだ数百万円の利益があがるに違いない。

 さすがに最近は不動産の売れ行きにブレーキがかかってきたという報道があるが、80年代にもこれくらいのタイミングで一時期ブレーキがかかり、調整を経てそこからまた市場が過熱していった。

 とにかくみんなの脳裏に「2020年までは経済がよくなる」という思いがある。そこに加えて資金の借り入れも比較的容易だという金融事情から、まだ当面は不動産が上がり続ける方向に力が働く。

 2020年には世界中から東京に人が集まるから、東京の街はにぎわうし、不動産は足りなくなると皆が信じている。皆が信じているから価格が上がるのがバブルの特徴だ。そして実際に世界中から人があつまるのは7月末から8月にかけての17日間。それが過ぎれば、不動産バブルが崩壊しないための支えはなくなる。

 もちろん、歴史は単純には繰り返さない。1991年に消えたバブル紳士たちは地上げや物件ころがしで儲けていた人たちだった。法律などの前提が以前とは違う現在、2021年のバブルで消える人たちは、それとは違う儲け方をしている人たちだろう。

 それはひょっとすると民泊経営で儲けていた人たちかもしれない。高額な資金を借りて、マンションを一棟買いし、民泊で儲ける。東京への観光客はどんどん増えるから借金をしても民泊は儲かる。ところが2020年が近付くと、どんどん同じことをやる人間が増える。退職金を全額つぎこんで民泊用のワンルームマンションを買う老夫婦など、新規参入者だらけになる。徐々に民泊でとれる単価も下がっていく。