アルパインいわき本社Photo by Altomarina

会社経営の今後を左右する「臨時株主総会」が、今月から相次いで開催される。中でもアクティビストファンド、いわゆる「物言う株主」の動向がカギを握るとされているのが、電子部品メーカーのアルプス電気と、子会社で車載オーディオなどを手掛けるアルパインとの経営統合だ。(ジャーナリスト 滋賀利雅)

物言う株主の反対で混迷する
アルプス・アルパインの統合

 アルプスとアルパインは2017年7月、1対0.68の株式交換で19年4月に経営統合すると発表。その後、統合時期を19年1月に前倒しするとしたほか、さまざまな紆余曲折があり、その是非が判断される12月5日の臨時株主総会が注目を集めている。

 両者の経営統合にまず噛みついたのが、アルパインの一部株式を保有する香港のオアシス・マネジメントだった。

 17年10月にオアシスがアルパイン株9.18%を握っていることが判明、統合手法に異議を唱える。そして、18年4月には、株式交換比率について見直すよう株主提案を仕掛けたのだ。その後、18年5月の都内の講演では、統合自体には賛成だが、アルパインはもっと高い価値があると主張して「親(アルプス電)による児童(アルパイン)虐待だ」と非難。

 この株式交換比率見直し提案自体は否決されたものの、オアシスは強気の姿勢を変えようとはしなかった。