ワイルド7ワイルドな7人が活躍するかっこいい設定はまるで『七人の侍』です(写真はイメージです) Photo:PIXTA

【おとなの漫画評vol.15】
『ワイルド7』
Kindle版全48巻 2017年5月
望月三起也 eBook Japan

『飛葉 もうひとつのワイルド7 完全版』
全1巻 2018年7月
望月三起也
実業之日本社

今年50周年の長編名作
続編のリニューアル版も続々発売

漫画『ワイルド7』が連載開始50周年の今読んでもかっこいい理由

『ワイルド7』は1969年から79年まで「週刊少年キング」に連載され、少年画報社から全21話48巻のコミックスとして発行された長編の名作である。2017年に電子書籍で全巻がリリースされている。2016年に他界した望月三起也の代表作であり、続編も断続的に出版されていた。2019年は「ワイルド7」登場から50周年に当たる。

 今後、「ワイルド7」の新作が世に出ることはないが、続編旧作のリニューアル版は実業之日本社から出版されている。そのひとつが『飛葉 もうひとつのワイルド7完全版』(2018年7月)だ。また、河出書房新社が『文藝別冊・望月三起也』を2019年1月に発行した。「ワイルド7」に関する研究書やレポートが、これから続々と登場するかもしれない。

ワイルドな7人が活躍する
かっこいい設定はまるで『七人の侍』

 なにしろ、こんなかっこいい漫画、そうあるものではない。警視庁の草波勝は司法試験もパスしているキャリア官僚だが、彼は腕の立つアウトローを7人集め、バイクと武器と殺しのライセンスを与えて悪者を退治する「ワイルド7」を結成し、隊長となる。