・お腹は気になるが、時間やお金をかけたくない
・運動はしているが、お腹の悩みを解決できない
・お腹を凹ませて、人生を変えたい
 そんな方のために、好きなものを食べても運動しなくてもやせて、腰痛、猫背などの不調も改善する「合理的な方法」をお伝えしていきます。ビジネスと同じで、まずお腹が出る原因を探り、目標を設定すれば、とるべき手段が明確になり、おのずと結果はついてくる、そんな方法です。

お腹が凹んで人生が変わった人の実例 前編

ウエスト9cm減で、
脚が1.5cm長くなった!?

お腹が凹んで人生が変わった人の実例 前編植森美緒(うえもり・みお)
1965年生まれ。健康運動指導士。ダイエットに失敗した10年間の経験を生かし、リバウンドしない方法を提唱。自らもそれを実践し、最大60kgから14kg減量した体型を維持している。スポーツクラブ、カルチャースクール、専門学校、整形外科、自治体、健康保険組合、企業、女性誌など多彩なステージで活動を重ねている。実践のしやすさと続けやすさをモットーにしたセミナーは、その場で効果を実感できる点が参加者からも好評。著書に、『30秒ドローイン!腹を凹ます最強メソッド』監修:石井直方(高橋書店)、『腹だけ痩せる技術』(メディアファクトリー新書)、『世界一簡単な「くびれ」の作り方』(PHP文庫)など多数。

 最後に、お腹を凹ませることで人生が変わったという人たちの話を紹介させていただきます。

 私が企業のフィットネスルームに出張する形で指導をしていたとき、当時、50代後半で中肉中背体型のYさん(男性)から相談を受けました。歩数を記録するイベントに参加して目標の歩数はなんとかクリアしたけれど、お腹はたいして凹まなかった。定期的にフィットネスルームにトレーニングに来ようにもなかなか時間はとれない。

 1日1万歩を歩いても成果が感じられなかったので、正直、歩くモチベーションがなくなってしまったとのことでした。

 Yさんはそのビルの13階にお勤めでしたので、エレベーターをやめて階段にするのはどうですか? とお聞きしたら、「それならできそうだけど……」とやや気乗りしない様子でしたが、お腹をぐっと凹ませてのぼ下りすることをアドバイスさせていただきました。

 Yさんはすぐに手ごたえを感じたようで、顔つきが俄然明るく、やる気になったのがわかりました。

 13階まで階段を使ったとしても、時間にすると5分ほどです。それでも1ヵ月後にマイナス4cm、2ヵ月後にさらにマイナス2cm、3ヵ月後にはさらにマイナス1cm、1年後にはさらにマイナス2cmと、計9cmもサイズダウン。体重も少しずつ減って、結局1年で4kg減ったのでした。ズボンはすべて買い替えることになり、奥様からは感心されながらも、「家計に痛手だわ」と小言を言われてしまったと笑っていました。ちなみに、体が軽くなっただけでなく、お尻が上がった実感があり、ズボン丈は1.5cm長くなったとのことでした。

「食事にも気をつけたのですか?」と聞いたら「いや、階段だけですよ。食べるものを減らすのがイヤで、運動しようと思ったわけだから。今では駅でも基本は階段ですよ」と、階段を目の前にすると、使わずにはいられなくなったご様子でした。Yさんのお尻が上がったのは、姿勢がよくなったことと、階段を使うことでお尻の筋肉を使うようになったからだと思います。

 Yさんと話をしていてお上手だと思ったのは、社内の移動など、時間的に急ぐ用事のときには迷わずエレベーターを使うようにした、というところです。

 絶対にエレベーターは使わないなどと義務にするとやはりストレスになりやすいですから、こういうちょっとした心持ちが成否を分けるものです。方向性さえ決まれば、男性はご自身で臨機応変に対応する能力が高いように思います。