現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師の著書『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。(初出:2021年3月27日)

ひじきPhoto: Adobe Stock

ひじきは週に1回まで!

ひじきは日本伝統の健康食というイメージがありますね。食物繊維のほか、カリウムやカルシウムなどのミネラル類が豊富な海藻で、栄養面だけを見れば優秀な健康食材と言えます。

ところが2004年、英国食品規格庁が、ロンドンで売られているひじきについて、発がん性のある無機ヒ素を多く含むので食べないようにという勧告を出しました。それを受けて東京都江東区の保健所が日本産、韓国産、中国産のひじきについて調査したところ、英国食品規格庁が測定した濃度と同レベルの結果が出ました。ヒ素は言うまでもなく毒です。多量に摂取すると急性中毒を起こして死ぬこともあります。慢性中毒では嘔吐、食欲減退、皮膚の発疹や炎症を起こしたり、知覚障害や運動障害を起こすこともあります。

1日4.7グラム未満なら問題ない

厚生労働省では、WHOが定めた基準に照らして、水で戻したひじきを毎日4.7グラム以上食べなければ問題ないとしていますが、毒をできるだけ体に入れないためには、ひじきは食べないのが正解です。ひじきが大好物でやめられないなら、せめて週に1回、小皿に載る程度の量にすべきです。

ちなみに、同じ海域で育つわかめや昆布、のりに含まれている無機ヒ素は、ひじきの無機ヒ素の200分の1程度ですから、この程度なら許容範囲。便通をよくして糖質を吸収しにくくする水溶性食物繊維をとるためにも、ひじき以外の海藻は存分に食べてください。

文章と表

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
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白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。