食品Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はJT、明治ホールディングスなどの「食品/嗜好品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

明治HDは四半期売上高微減
唯一の減収に陥った要因とは?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の食品/嗜好品業界4社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・JT
 増収率:17.0%(四半期の売上収益5972億円)
・キッコーマン
 増収率:22.8%(四半期の売上収益1237億円)
・味の素
 増収率:11.5%(四半期の売上高2763億円)
・明治ホールディングス
 増収率:マイナス0.7%(四半期の売上高2359億円)
 ※明治ホールディングスは22年3月期第1四半期より収益認識に関する会計方針の変更を行っているため、前年同期の売上高にも同じ基準を適用した際の増収率を表示している。

 食品/嗜好品4社の四半期増収率(前年同期比)は、4社中3社が増収。明治ホールディングスは、前年同期実績をわずかに下回る結果となった。

 明治ホールディングスが食品/嗜好品業界で唯一、四半期増収率(前年同期比)がマイナスに陥った要因とは何だったのか。次ページ以降で詳しく解説する。