何かとストレスが多い時代、自分でストレスを上手にコントロールしたい。でも、ストレスの要因や対処法を一生懸命考えてもなかなか答えにたどり着けないものだ。「今ここ」に集中しようと思っても、雑念は否が応にも湧き上がってくる。では、どうすれば頭と心を整理して、スッキリとシンプルな生き方ができるのだろうか。
習慣化のプロとしてこれまで5万人を指導し、1000人以上をコーチングしてきた古川武士氏が、行き着いた最も効果的な習慣は「書く」ことだった。必要なのはノートとペンのみ。自分と向き合い、本当に大切なことに気づけば、生き方は今よりずっとシンプルになる。自分を整理するための「書くメソッド」を体系化した書籍『書く瞑想』から、一部を抜粋して特別公開する。

「ストレスを消す技術」<br />考えずに「感じる力」を鍛えるコツPhoto: Adobe Stock

心の整理は「書く瞑想」から始める

「書く瞑想」は、日々の感情と向き合い、浮かぶ言葉を頭で邪魔せずに、感じるままに紙に書き出すことを目的にしています。

 本来の瞑想の意味は、「心を静めて無心になること、何も考えずリラックスすること、深く静かに思いをめぐらす」ことを言います。

「書く瞑想」は、心とダイレクトに向き合い、深く静かに心・気持ちを探りながら、言語化を通じて芋づる式の対話を行うプロセスです。

 目をつぶって行う瞑想も効果的ですが、書くことで瞑想するというアプローチは一般的にはジャーナリングと呼ばれています。

 ジャーナリングは、グーグルがマインドフルネスを実践する独自の研修プログラム「Search Inside Yourself(SIY)」で有名になりました。同名の書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』(英治出版)でも紹介されています。

 これは、心を静め、今ここに集中することで、ストレスレベルを下げ、集中力を向上させる効果があります。

 また、世界的ベストセラーになったジュリア・キャメロンの『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(サンマーク出版)の中では、「モーニングページ」という手法が紹介されています。

 起きてすぐにノートを開き、意識の流れのままにただ手を動かして心に浮かんでくるものをそのまま書き留めることで、やりたいことが見つかるというものです。

 いずれの方法も、手書きで、頭であれこれ考えずにノートに書き出すというやり方です。「書く瞑想」もこの点では同じです。

 感情の赴くままひたすら書くことで様々な想い、感情が立ち現れてきます。湧き上がってくるものをひたすら書いていくといいのです。

 あれこれ考えずにひたすらノートに書き出していくと瞑想的な状態になっていき、表面的な気持ちから不足している欲求や価値観、願望を汲み上げてくることができます。

 思考に頼るのではなく、内臓感覚にアクセスして、心から湧き上がってくる言葉を芋づる式に、連想ゲーム的に言葉を出していきます。

 マイナス、プラスの感情を両方出すことにより、心と生活の乱れを整えていきます。

 何よりここでは自分の「内側の声」に耳を傾けることを大切にします。

 良い生活や良い心の状態、良い人生の形には「正解」はなく、人それぞれ「最適解」があるだけです。これは、自らが感じていくしかありません。

(本原稿は、『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』からの抜粋です)