実際、スターバックスコーヒーの従業員は離職率が低いことで知られています。

 通常、外食産業では5割近い離職率が、スタバではひと桁台の前半。採用倍率も高い人気の職場です。一般に人手不足・高離職率で悩んでいる外食産業の中では、驚異的と言ってもいいでしょう。

 そんなスターバックスのマネジメントには、実は現代の進化した軍事組織のマネジメントとの意外な共通点がある、と言ったら、驚かれるでしょうか?

 スターバックスのマネジメントの特長は、いわゆるマニュアル教育を行なっていないこと。その代わり、重視しているのが「ミッション教育」です。

働きがいが生まれ
優秀な人材が集まる

「この一杯から広がる、心かよわせる瞬間、それぞれのコミュニティとともに─人と人とのつながりが生みだす無限の可能性を信じ、育みます」(同社公式サイトより)

 このミッションを実現するために、自分はどう行動すべきか。言い換えると、チームとして理想の状態を実現するために、個人はどうすればいいのか。

「それを皆さん1人ひとりが考えて行動してください」という教育法を徹底して行なっているのです。

 その結果が、多くの顧客に選ばれる魅力につながっている。それだけでなく、働く人たちもやりがいを感じている――

 それも当然ですね。「やれ」と言われたことをやって褒められるのもうれしいことでしょう。けれども、自分で「どうしたらお客様に喜んでもらえるか」と考え、行動した結果を評価される、そのときの充実感は桁違いです。

 それが働きがいを生み、低い離職率と高い採用倍率、そして優秀な人材の採用・定着につながっているというわけです。

 ここまで読み進めて、疑問を感じた方もいるでしょう。

「スターバックスの人材育成、活用の秘密はわかった。でもそれが、軍事組織のマネジメントとどう関係するの?」

 実は、軍事組織――それも、私が紹介しようとしている現代的な軍事組織のマネジメントと、スターバックスのマネジメントは、本質的な部分で共通しているのです。