池上正樹
第134回
「大人の自閉症」回復に向け、光明をもたらすかもしれないニュースが舞い込んだ。自閉症は、これまで薬物による対処療法が中心だった。しかし、マウスを使った解析により、大人になってからも薬物で治療できるのではないかとの研究成果が発表されたのだ。

第133回
今回の衆議院総選挙の結果を受けて、不安定になっている人たちがいる。自民党が掲げる企業中心の政策や、具体的には「生活保護1割削減」の方針を受け、もう生きていけなくなるのではないか、などと脅える人々も少なくない。

第132回
2012年の日本の自殺者数は、15年ぶりに年間3万人台を割り込む見通しであることが明らかになった。一方で、気になるデータもある。『自殺総合対策パンフレット』(2010年に内閣府)によると、2008年における20歳から24歳の死因の50%は自殺だったのだ。

第131回
引きこもる人たちに対して感じるのは、ウソをつけないタイプの人が多いということ。そんな性格が仇になり、大学までは順調にもかかわらず、就職でつまずく人が少なくない。就職できたとしてもブラック企業であったりで、ますます彼らは追い詰められている。

第130回
これまでの引きこもり支援は、雇われるためのトレーニングをして“正社員になるのが正しい”という意識が前提だった。しかし今、“雇われない働き方”をして自立をしようとする引きこもる若者が登場し、彼らを支援する動きが起き始めている。

第129回
行政と引きこもり当事者同士が、フラットな関係で対話や交流を楽しもうという“お試しフューチャーセッション”が大阪で行われた。行政の呼びかけによって、引きこもりする人たちが対話の場を設計しようとする試みは、ほぼ初めてのことだ。

第128回
様々な事情で、一旦レールから外れた人たちの多くは、その後仕事に就くことができないまま、引きこもらざるを得ない日々を送っている。この国で「引きこもり」の長期化・高年齢化が進む背景は、想像以上に根が深い。いったいなぜこんな状況が起きるのか。

第16回
文部科学省は11月3日、遺族と県教委、市教委とともに4者会合を開き、事故検証委員会を設置して1年後に最終報告をまとめる方針を明らかにした。これまで県教委や市教委にいら立ちを覚えていた遺族がこの動きに期待する中、文科省は真相を明らかにできるか。

第127回
引きこもる子どもを抱える親たちが集まって、情報交換や勉強し合うことは、とても大事なことだ。ただ、周囲の視線が厳しい土地柄の地域ではいまでも、1人で思い悩んでいる人たちは少なくない。実際に、親たちはどのような心情でいるのだろうか。

第126回
大学までは問題なく卒業したけれど、社会に出たとたん、人間関係や組織への適応などが上手くいかなくなり、仕事に就けずに無職になる。そんな“大卒無業者”の状況に追い込まれる人たちの存在が、顕在化しはじめている。彼らはなぜ、働くことにつまずくのか。

第125回
約10年にわたって引きこもっていた30歳代の男性が、父親を刺殺した事件の判決が、神戸地裁であった。ふだんは気が小さくて、家庭内暴力もとくになかったという男性。いったい、この親子の間に、何があったのか。

第124回
親と子の意識のずれは、本人が引きこもっているかどうかにかかわらず、根深いものがある。しかし、それぞれが「自分ごと」として振り返ることのできる、そんな気づきを得られる機会があれば、有意義だと思うし、とても貴重だ。

第123回
得体のしれない不安が、世の中を覆っている。40代の元会社員のAさんはいい人でいようとして、周りの評価を気にする傾向がある。相手に嫌な思いをさせるのでは嫌われるのではないかと思ってしまうというのだ。それが社会復帰の大きな壁になっている。

第13回
東日本大震災の大津波により大川小学校の児童・教職員84人が犠牲となったが、あのとき行政は大川小や地域住民にどんな対応を取っていたのか。あの日、大川小のある釜谷地区に入り、津波からの避難を呼びかけた市の職員に当時の状況について話を聞いた。

第122回
今、正社員としてフルタイムで働いていても、もし会社を辞めてしまえば取り返しがつかない。だから休むことはできない――。このように、一度でもレールから落ちると元に戻ることが難しいために、思い悩む再就職難民予備軍が今、増加している。

第12回
東日本大震災の大津波によって多くの児童が犠牲になった大川小学校。震災から1年半以上が経過した今も、遺族や保護者、石巻市教委の間で争いが続き、解決の糸口が見えない。こうしたなか、大川地区の地域住民はこの事態を今、どう感じているのだろうか。

第121回
前回、2年余りの「引きこもり」歴がある40代前半のAさんが、1年間に300社以上も応募し続けながら、採用が決まらなかったという話を前回紹介した。すると大きな反響があり、同じような体験をされている方々から、同じような内容のメールが筆者の元に数多く寄せられた。

第120回
引きこもりしていた中高年たちが、いまの日本で再就職しようと思っても、なかなかうまくいかない。40代前半のAさんの場合、この1年間に300社以上も応募し続けながら、採用が決まらなかったという。

第10回
東日本大震災の大津波により、児童・教職員84人の犠牲者が出た石巻市立大川小学校。市教委の報告書では、児童は津波が来る数分前には、避難を始めていたことになっていた。しかし私たちは、大津波襲来直前に大川小の校庭で何人かの人影を目撃したという人たちの証言を得た。

第8回
児童74人と教職員10人が、東日本大震災の大津波にのまれて犠牲になった石巻市立大川小学校。発生から1年5ヵ月を過ぎて、ようやく文科省が動きだした。8月19日、平野博文文部科学相が初めて大川小の校舎周辺を視察し、遺族の声に耳を傾けたのである。
