当事者でなくとも難しい
親子の関係の距離感

 親の気持ちは痛いほどわかっているけど、親の価値観を押しつけられると、子は生きづらさを感じてしまう。

 親子の関係は、どのように距離感をとればいいのだろうか。筆者には、2010年と今年、相次いで両親が亡くなったいまも、その答えがわからない。

 親と子の意識のずれは、本人が引きこもっているかどうかにかかわらず、根深いものがある。しかし、それぞれが「自分ごと」として振り返ることのできる、そんな気づきを得られる機会があれば、有意義だと思うし、とても貴重だ。

「自立≠孤立 当事者がしてほしいと思う支援とは?」――そんなテーマのもと、10月14日、東京都中央区の「協働ステーション中央」(十思スクエア2F)で開かれた、引きこもり家族会である「KHJ西東京萌の会」月例会の2回目のフューチャーセッションに、筆者は途中の第2部から参加させていただいた。

 この日の会には、会社員の男女3人がファシリテーターを務め、二十数人の親子が参加。広々とした雰囲気のある、かつての小学校の教室で、参加者が1つの大きな輪になった。

 また、話が苦手な人たちのために、〇×のプラカードと質問箱が用意されていたが、当事者のアイデアにより、当日、100円ショップで買ってきてくれたものだという。

 第2部では、主に女性ファシリテーターのちはりぃさん(通称名)が会を進行。第1部で親と子が別の教室に別れて、3人のファシリテーターのプライベートな話も交えながら雑談した中から、心に止まったというフレーズを次のようにホワイトボードに記して、紹介していった。