池上正樹
第146回
横浜市は、市内に住む15~39歳の8000人以上が「引きこもり状態にある」とする推計を初めて公表した。市が初めて引きこもり実態調査に取り組んだ点は評価できる。しかし今なお、調査対象者は39歳まで。40歳以上の深刻な実態は置き去りにされた。

第4回
震災により、在宅住民の5人に1人が犠牲となった宮城県名取市閖上地区。犠牲を大きくした背景には、同地区が同市の「津波浸水予測マップ」の浸水範囲から外れていたことがあった。では、このハザードマップはどのように作られたものだったのか。

第145回
今年1月の有効求人倍率は0.85倍で、3ヵ月続けて上昇し、このところ改善しつつあるといわれる日本の雇用情勢。ところが、「実態は悪化している」と、ハローワークの利用者は言う。なんとハローワークには、“カラ求人”も少なくないというのだ。

第3回
震災当時、在宅者の5分の1が犠牲になった宮城県名取市閖上地区。その要因として、市の指定避難場所の「閖上公民館」に避難した人たちが外に出され、「閖上中学校」に誘導される途中、津波に飲み込まれたことが挙げられている。

第8回
「未曾有の自然災害」と言われた2011年の東日本大震災。その16年も前に、今回の巨大津波が襲来することを予言し、警告していた歴史学者がいる。その人物は、次に福島・岩沼沖で巨大津波が発生する危険性を警告する。

第144回
「引きこもり」が問題にならなくなったその村は、きっと誰にとっても生きやすい、優しい村に違いない。そんな「ひきこもり村」の開村をテーマに、あなたが「ひきこもり村」の村長だったら、どんな村にしていくかを対話するフューチャーセッションが開かれた。

第2回
宮城県名取市閖上地区では震災当時に在宅していた約4000人中、その5分の1にあたる800人近くもの犠牲者が出た。その最大の原因の1つは、あの日、市の全域で、大津波警報の発令や避難を知らせる「デジタル防災行政無線」が鳴らなかったことだ。

第1回
東日本大震災の津波によって、800人近い犠牲者を出した宮城県名取市の閖上。そんな閖上地区ではいま、町の再建を巡って、家を失った被災者と名取市側の間で、大きな隔たりが生まれている。なぜ、住民と行政の間で亀裂が生じてしまったのか。

第143回
天涯孤独の状況にあった40歳代の無業者男性Aさんが、この3月の寒い早朝、自宅でこっそり亡くなった。家族とは音信不通で、頼る身寄りがなく、家も仕事もないまま、貧困にあえいでいたAさん。彼は、この社会からネグレクト(放棄)状態にあったとも言える。

第142回
約30年の「引きこもり」の末、大阪市の自宅で当時46歳の姉を刺殺したとして、殺人罪に問われた42歳男性の控訴審で、大阪高裁の松尾昭一裁判長は、懲役20年の1審判決を破棄。懲役14年を言い渡した。この男性が殺人に及んでしまったのは、一体誰のせいだろうか。

第141回
引きこもった人たちの「毎日通える所が欲しい」「仕事につながることをやりたい」、そんな希望を叶える場所を身銭を切って、行政の手を借りずに作ってしまった人がいる。広島県福山市に「ドリィムスイッチ」を開所した中村友紀さんだ。

第140回
主婦の場合、引きこもること自体、社会的に問題視されていない。昼間、家にいるという生活の外見上は、他の主婦と何も変わらないからだ。しかし、実は今、じわじわとその存在が増え始めている。なぜ彼女たちは引きこもってしまうのだろうか。

第20回
2月7日に第1回大川小学校事故検証委員会が開かれた。これまで検証対象外だった「事後対応」を検証範囲に含めるなど成果もあったたが、「公開」が条件だった委員会については、委員が映像に“事前検閲”を迫る異様な展開になった。

第139回
これまであまり注目されることのなかった「主婦の引きこもり」。データ的な根拠はないとはいえ、潜在的に主婦の引きこもりの人たちも、かなり多いのではないかと実感させられる。しかも彼女たちは、比較的高学歴であったり、優秀な人たちが多いことにも驚かされる。

第138回
一度レールを外れると絶対に浮き上がることができないのが今の日本社会だ。この連載では、一度引きこもりになってしまうと社会復帰が非常に難しい現状を伝えてきたが、それは離婚をした専業主婦にもまた当てはまるようだ。

第137回
引きこもりの人たちのための「職親」体験発表会が1月22日、京都府庁で開かれた。職親とは、就職する際の保証人制度。11年度末現在、114社が受け入れ先の「職親」として手を挙げ、50人が制度を利用。若者が自立に一歩踏み出すきっかけになっている。

第19回
2012年12月、ようやく大川小の惨事を検証する第三者検証委員会が設置され、2月7日には第1回検証委員会が開かれることとなった。この問題を国会の場で唯一取り上げてきたのが、富田茂之衆議院議員だった。

第136回
引きこもりだった人が1人で生活保護を申請するには、とても高い壁がある。今回は、長年、親元で引きこもっていた40歳代のMさんが、生活保護を申請し、初めて1人暮らしを始めるまでにいたった過程を紹介したい。

第135回
今の日本は“人生のレール”から一度脱線すると、なかなか這い上がれない社会になっている。しかもそれは若者だけに限ったことではない。彼らの家族の人生までも崩壊させてしまうことになりかねないのだ。

第18回
大川小学校の惨事を検証する「第三者検証委員会」の設置を石巻市議会が承認した。市教委は、文部科学省の設置案に「(遺族から)概ね異論のない状態」などと説明したが、実際には「人選」などに対して遺族から異論や疑問が噴出、不信は強まる一方だ。
