森 達也
第5回
2007年8月検察が無罪を求める2つの裁判が相次いだ。検察が自らの過ちを認める結果となった。司法は民主主義の要諦だが、今、それは崩れつつあるのだ。

第4回
危機を煽られた世相は、やがて敵の不在による不安に耐えられず、自ら敵を作り出す。そして虐殺や戦争は起きる。人は後になって、どうしてあんなことを、と天を仰ぐのみだ。

第3回
世相形成にテレビの役割は重要だ。しかしテレビが、想像力の枯渇という共同幻想の育成に大きな貢献を果たしているとしたら、人類の未来は絶望的だ。

第2回
「戸籍」と「印章」、日本特有のシステムについて考えさせられる契機は旅行帰りにパスポートを紛失した事だった。アイデンティティをどこに求めるべきなのか。

第1回
テレビディレクター森達也が日常の共同幻想や不可視なコト・モノに新たな視点から考える連載。第1回は日本で生まれたスリッパに焦点をあてる。
