ホリエモンが「タバコの価格を3倍以上に」「喫煙にメリットなど一つもない」と訴えるワケPhoto:PIXTA

日本の喫煙率はいまだ15%台にとどまり、目標である「2035年までに10%未満」はこのままでは到底達成できない。堀江貴文氏は、価格政策と禁煙支援、そして電子タバコを含む一体的な規制こそ、喫煙率を確実に下げる現実的手段だと説く。日本が10年で大きな転換点を迎える方法とは?※本稿は、実業家の堀江貴文『日本医療再生計画 国民医療費50兆円時代の提言22』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。

日本人の喫煙率が
下がらない理由とは

 私は以前から日本の喫煙問題について疑問を持っている。

 先進国の中で、日本だけ喫煙率がなかなか下がらないのはなぜなのか?

 理由は明確だ。政策が中途半端なのだ。

 現在、日本の成人喫煙率は約15.7%。これを2035年までに10%未満にするという目標が掲げられているが、今のペースでは到底達成できないだろう。なぜなら、本気で喫煙率を下げたいなら、もっと大胆な施策が必要だからだ。

 興味深いデータがある。タバコの価格弾力性はマイナス0.3からマイナス0.5程度。つまり、価格を10%上げれば需要は3~5%減少する。これは経済学的に証明された事実だ。特に若年層はこの数倍も価格に敏感だという。

 私が注目しているのは、2010年の日本の事例だ。1箱あたり約110円の大幅値上げを実施した結果、販売数は10%減少し、喫煙者数も大きく減少した。しかも税収は800億円増加している。

 これは実に合理的な結果だ。ニコチン依存症の人はすぐには禁煙できないから、値上げ幅ほどには需要は減らない。