
加藤嘉一
第3回
日本の野田政権による尖閣諸島の国有化は、日本国民からすれば「所有者が変わるだけ」の国内的手続きとクールに認識できるだろうが、中国側、特に尖閣諸島をめぐる実情を知らされていない中国人民からすれば「侵略」と映り、政府は「核心的利益」を侵されたと認識する。

第1回
ハーバード大学ケネディースクールにフェローとして赴任し、2週間が経った。家探しから始まり、毎食の自炊、大学での各種手続き、買い物、通信手段の確保、体調管理など、すべてが新しいチャレンジだった。今でも分からないことだらけだ。

第20回
誰にだって旅立ちはあるものだ。卒業があるように――。私はこれから未知の世界、アメリカへ向かう。母は「よしくんにとって、新しいスタートだから」と言って、空港まで見送りに行くと言ってくれた。その気持ちを知って、涙が出た。

第19回
8月13日、私は「第3回ヤング天城会議」(日本IBM主催)で高校生35人に講義をした。私は問題意識や価値観、アイデンティティーなどが未成熟で、発展途上の真っ只中にある高校生こそ、日本の未来を見い出せる存在だと思っている。

第18回
8月下旬、私はアメリカに拠点を移す。ハーバード大学ケネディースクールで中国問題と米中関係に関する政策研究に挑むためだ。その前に、私は半年間暮らした上海を離れ、再び9年間過ごした北京に戻った。中国での合計約10年間の"棚卸”をするためだった。

第17回
加藤嘉一氏はテレビ番組の取材などで、毎週のようにさまざまな国や地域に実際に足を運び、現地の人々との交流をしている。今回は、5月にテレビ番組の取材で訪れたインドネシアについて、語りきれなかったストーリーをお届けする。

第16回
私は対外発信力の欠如を日頃から厳しく指摘しているが、このところ、一時帰国が増えるようになって思うのは、「日本人に合った、日本人なりの発信スタイルもあるんじゃないか」ということだ。そこで私が可能性を感じているのが、「内なる発信力」だ。

第15回
久しぶりに目の覚めるようなニュースに出会った。横浜国立大学が学生の1割に留学を義務化するというのだ。日本の大学は「グローバル人材の育成」が最重要課題。同大学はこの課題に真正面から向き合い、対策を打とうとしている。

第14回
番外編「あなたの夢は、なんですか?」の(下)をお届けする。海外を旅すると、日本人は海外の人々と比べて暗い表情をしていると、私には感じられた。「夢」について聞いたのは、暗さの原因は、人生にとって大切な「夢」を忘れているのではないかと思ったからだ。

第13回
人生を前向きに生きるために私は「夢」がもっとも重要だとは思っている。そこで私は、街頭インタビューで夢について伺い、日本の人々がいま、どのような心境にあるのか、直接聞き、探ってみることにした。本連載の番外編ということで、2回にわたってお届けする。

第12回
企業や組織に属する事や短期間で辞めること自体、良い・悪いとか、すごい・すごくない、特別・平凡などというように、評価する次元の話ではない。企業に入社する、辞める、転職する……。それがどうした。だから何だ!そんなことは関係ないのだ。

第11回
文部科学省が教育制度改革案を公表した。そのなかには高校を2~2年半で卒業できる「飛び級」制度も含まれているが、それに対して「高校教育の軽視」という声があるという。私は、その意見は日本の置かれた立場をまったく理解していないものだと思う。

第10回
国際社会が今日、日本に求めているのは「自己紹介」だと思う。日本という国はどういう問題を抱えていて、世界に対してどう貢献し、逆に世界に何を求めていくか——。明確に国際社会に伝えられる発信力を鍛える必要がある。

第9回
高島宗一郎・福岡市長が打ち出した「禁酒令」に対して、全国規模で議論が沸き起こっている。これを機に、お酒との付き合い方を再考してみたい。上手にお酒と付き合えば、人間関係を深化させることができるし、自らの成長にもつなげられる。

第8回
沖縄が本土復帰40周年を迎えた。沖縄県民を激怒させ、日米関係の悪化を招いた鳩山由紀夫元首相が、首相退任後初めて沖縄を訪れたが、改めて氏への批判の声が上がっている。確かに、発言が二転三転し、混乱を招いた責任は重い。しかし、氏を政治家に選んだのは、私たちである。

第7回
私は18歳で日本を飛び出して、早9年になる。若い人たちには、勇気を持って「外」に出て、「日本にいては見えない日本」を知り、感じてほしいと思っている。様々な発見があり、己を成長させることができるはずだ。

第6回
猫ひろし氏がロンドン五輪男子マラソンのカンボジア代表として出場することについて、賛否両論があるようだ。しかし、私は世界で勝負する日本人があまりにも少ないなか、猫さんの行動はポジティブだと思う。

第5回
石原慎太郎・東京都知事が、尖閣諸島を都の予算で買い取ると発言した。尖閣諸島を守るのは国か都か。議論が沸き上がるが、そもそも、私たちは尖閣諸島の歴史や領有権を主張する中国国内の情勢を知った上で議論をしていただろうか。

第4回
北朝鮮が、また、東アジアに緊張をもたらした。「人工衛星」と称するミサイルを発射したからだ。そのとき、日本政府はどう対策を講じたのか。そして、その政府を選んだ日本国民は、どう反応したのだろうか。

第3回
当たり前のことを、当たり前にこなす――。いま、日本人はそれができなくなっているようだ。例えば花見のマナー。今年も困った酔客が大勢いたようだ。以前、日本人は中国人のマナーや非常識ぶりを指摘していたが、今も同じように言えるのだろうか。
