2021.10.6 総裁選後に考える、日本政府「コロナ対応」の評価はどうだったか 約1年半の日本のコロナ対応を振り返ると、当初の「ダイヤモンド・プリンセス号」船内における感染対応から「アベノマスク」の配布など、お世辞にも褒められたものではなかった。「平時」を旨として作られている日本のシステムは、「有事」に切り替…
2021.9.29 コロナで「見た目」が変化?インド・モディ首相はカリスマ的指導者か 2020年3月、コロナ感染の第1波を封じ込めるために、インドのマレンドラ・モディ政権は世界で最も厳しいロックダウンを実施した。公共交通機関はすべて停止し、警察が市民の外出を取り締まった。準備期間なしで実施したため、職を失った出稼ぎ労働者…
2021.9.22 蔡英文・台湾総統が「地味」でも真の民主的リーダーと呼べる理由 コロナ前における筆者の最後の海外出張は台湾だった。4年に1度の台湾総統選挙を見物するためである。2020年1月10日、福岡空港から台北桃園国際空港に降り立ったとき、電光掲示板に大きく「武漢」という表示があった。中国国内で奇妙な肺炎が流行し…
2021.9.15 ジョンソン英首相の素顔、家柄は超一流でも「許されキャラ」 インターネットの画像検索で、「ボリス・ジョンソン」と「たこ焼き」を入力してみてほしい。大阪の道頓堀でたこ焼きを食べるジョンソン・ロンドン市長(2015年当時)の写真が山のようにヒットするだろう。「舟型の容器を左手に、つまようじを右手に…
2021.9.8 ニュージーランド史上「最年少」の女性首相がマニアを生む理由 コロナ対策で評価されている政治家といえば、この人の名前を真っ先に挙げるべきだろう。2021年5月、「フォーチュン」誌は「世界のもっとも偉大な指導者50人」の第1位に、ニュージーランド首相のジャシンダ・アーダーン氏を選出した。「Covid-19のパ…
2021.9.1 バイデン大統領の「波瀾万丈」な人生、二回訪れた悲劇の別れ 第46代米国大統領に選ばれたジョー・バイデン氏は、波瀾万丈のファミリーヒストリーの持ち主である。1972年、デラウェア州の駆け出し弁護士であったバイデン氏は、29歳の若さで上院議員に当選する。ところがその直後に、最初の妻と長女が交通事故で…
2021.8.25 コロナ下の指導者の条件とは?日本で目立つ「謝り下手」の政治家たち 後世の歴史家が2010年代後半の国際情勢を描くとき、この写真を使う誘惑からは逃れがたいだろう。眼光鋭く何かを迫っているドイツのアンゲラ・メルケル首相。憤然と見返す米国のドナルド・トランプ大統領。そして、その中間に腕組みをして立つ日本の…
2019.4.21 トランプ支持者の今を伝える労働者の街を歩いた定点観測 日本の新聞社で、米ニューヨーク駐在を務める記者の担当領域は、本来なら国際連合本部などの取材である。しかし、大統領選挙中にレンタカーを借り、「ラストベルト」(米中西部から北東部にかけての主要産業が衰退した地域)に足を踏み入れると、そ…
2019.2.24 ウッドワードの新作ながらも不完全燃焼を感じる政権批判 冒頭から異様なシーンに息を呑(の)む。米国家経済会議委員長のゲーリー・コーンが、トランプ大統領のサインを待つばかりだった親書を大統領執務室のデスク上から盗み出す。
2018.12.16 今だからこそ読んでおきたい丁寧な仕事が光る幸之助翁伝 松下幸之助と言えば、“昭和の大経営者”である。平成元年に94歳で逝ったときには、一つの時代が終わったと感じられたものだ。その幸之助翁を、平成の終わりに振り返るとどのように見えるのか。
2018.10.14 実はさっぱり分かっていない「好き嫌い」というメカニズム 人の好みはどのように形成されるのか。なぜ、自分は阪神タイガースのファンで、競走馬のステイゴールド産駒を贔屓(ひいき)するのかと聞かれれば、要するに「蓼食う虫も好き好き」であり、うまく説明はできない。
2018.8.26 「ギフテッド」な天才少年にはどのような景色が見えるのか 最初に言うと、書評の枠を逸脱するかもしれないが、評者は本書が描く天才、テイラー・ウィルソン君を間近で見たことがある。今年4月、日本原子力産業協会(旧原産会議)が開いたイベントにゲストとして来日し、基調講演を行ったときだ。