井出豪彦
企業が裁判所に自己破産を申し立てる際に作成する「破産申立書」には、社長による「陳述書」の添付が求められる。倒産に至った経緯について経営者自ら振り返り、代理人弁護士の助言を得て通常A4用紙2~3枚程度にまとめるものだが、時に思わぬドラマチックなストーリーに出合うことがある。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、企業経営者などを狙い、怪しげな投資話を持ち掛けるケースが増えている。サージカルマスク、消毒液から電柱点検ビジネスまで、その商材はさまざまで注意が必要だ。

中堅不動産会社のユニゾホールディングス(ユニゾHD)の債務不履行(デフォルト)リスクが注目されつつある。昨年6月に米投資ファンドのローン・スターと組んで上場企業初となる従業員による買収で非公開化したが、早くも危機に立たされている。ユニゾHDには複数の地銀が多額の融資を行っており、行方次第では地銀経営にも大きな打撃となる。

12月3日、ファクタリング会社(債権買い取り会社)に架空債権3億円を買い取らせた詐欺容疑で「INI」(東京都台東区)というイベント企画会社社長の色川渡容疑者(45)が警視庁捜査2課に逮捕される事件があった。ちょうど東京地検特捜部がドン・キホーテ前社長を金融商品取引法違反(取引推奨)容疑で逮捕したのと同じ日だったため、新聞紙面の扱いはやや割を食った感があるが、ファクタリング会社という金融のプロをだます、いわば「超プロ詐欺師」の存在が垣間見えたという意味で信用情報の業界は決してスルーできない重要な事件といえる。果たしてその手口とはどういうものだったのか。

大掛かりな架空・循環取引疑惑が浮上している。対象となったのはコンクリート二次製品などの建設資材で、北は北海道から南は九州まで全国の有力メーカーや商社の合計15社程度が関与した模様だ。

「ふえるわかめちゃん」や「ノンオイル青じそドレッシング」などのヒット商品を生んできた東証1部の「理研ビタミン」が不正会計問題で上場廃止の危機に直面している。安定した収益力を誇る時価総額1000億円弱の企業が突然陥った危機の要因を分析すると「中国リスク」の恐ろしさが浮かび上がってくる。多くの日本企業にとっても無縁ではいられない重要な問題だ。

2020年度上半期ベスト1
消費者金融会社への過払い金の返還請求を手掛け、積極的なテレビCMなどを行っていた弁護士法人、東京ミネルヴァ法律事務所が6月24日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。だが、今回の破産には、ほとんど知られていない深い闇がある。

コロナ禍で飲食店やホテルの苦境は言わずもがなだが、こうした外食産業に食材を納める業務用の食品卸業者にも当然厳しさは波及している。とくに高級食材を扱うところほど「巣ごもり消費」の恩恵が乏しく、売り上げが落ち込んでいる。そこを狙いすまして活動するのがBtoBの領域で活動する「取り込み詐欺」だ。

新型コロナウイルスで戦後最悪の不況となるなか、企業業績への影響が深刻化している。中小企業のみならず、ついに上場企業でも、全社員に退職勧奨を行ったり、売上高が前年比で97%減に陥る企業も出始めた。

外食大手「コロワイド」を実質的に一代で築いた蔵人金男会長が、30億円超の巨額詐欺被害に遭っていたことが明らかになった。その驚きの手口を明らかにする。

消費者金融会社への過払い金の返還請求を手掛け、積極的なテレビCMなどを行っていた弁護士法人、東京ミネルヴァ法律事務所が6月24日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。だが、今回の破産には、ほとんど知られていない深い闇がある。
