金子 修
今回は、多数国取引が主流である日本・イタリアと、1行取引が一般的な米国との対比を通じ、多数行取引がもたらす課題と今後の示唆を整理する。

今回は、多数行取引が主流のイタリアと日本を対象に、戦後の経済動向と中小企業の役割を概観し、両国において長年問題視されるゾンビ企業について考察する。

戦後日本の企業金融において、複数銀行との取引は常態であり続けてきた。企業が複数行取引を求める背景には、リスク分散や交渉力確保などがあり、1行取引を選好する積極的な理由は乏しい。

第2回では、「企業の簿記・会計実務の欠如」と「租税回避に起因する情報の不透明性」という二つの観点から、歴史的な経緯を検討する。

創業した企業は一つの銀行との取引から始まり、業歴が長くなるにつれて取引銀行数も増えていくのが一般的である。なぜ日本において多数行取引が定着したのか――。本連載では、わが国の多数行取引を歴史、社会的文化、法制度などから多角的に検討し、解剖する。
