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"年金制度は破綻する"はウソ! ただし、減額や支給年齢のさらなる引き上げはありえるので、「ねんきん定期便」で将来の年金を確認できるようにしておこう

2018年8月20日公開(2022年3月29日更新)
ザイ編集部
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「年金制度は破綻しない」理由を専門家が解説! 将来受け取れる年金の計算方法や「ねんきん定期便」の見方も紹介!

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今回はその中の「年金破綻、介護貧乏、老後の長期化の”3重苦”を乗り切る!」から、「年金破綻は起こるのか?」について抜粋して紹介しよう!

死ぬまでもらえるのが、公的年金の最大の強み

 「金融機関は投資商品を買ってほしいために、『年金破綻』を煽ります。ですが、国の財政が破綻をしないかぎり、年金制度が崩壊することはありえません」

 年金について詳しい社会保険労務士の井戸美枝さんはこう解説する。

 「長生きしても、一生もらえるのが公的年金の最大の魅力。障害を負った場合には障害年金、死亡すれば遺族年金にもなります。たしかに、マクロ経済スライドによって、実質的に年金は減額していきます。また、今の40代以下は、年金の支給開始年齢がさらに引き伸ばされるかもしれません。それでも、日本の年金は充実しているので、(自分で年金を支払う自営業の人で)国民年金の保険料を支払っていない方は、絶対に支払うべきです」(井戸さん)

 マクロ経済スライドとは、賃金や物価の上昇に対して、年金額の伸びを調整すること。例えば、物価が3%上昇した場合、年金の増加率は2.1%。その差分だけ、実質的に年金が減額される。

誕生月に郵送される「ねんきん定期便」とは?

 「漠然とした不安を消すためにも、まずは『ねんきん定期便』をチェックしましょう」(井戸さん)

 ねんきん定期便は、国民年金や厚生年金の加入者に、毎年の誕生月(*1)に郵送されるはがきで、50歳以上と50歳未満の2種類がある。50歳以上は、このまま60歳まで保険料を支払い続けた場合に受け取れる「年金の見込額」が記入されている。(*1 1日生まれは前月に届く)

 一方、50歳未満の場合、記入されているのは、現時点での加入実績に対する見込み額(*2)。詳しく知りたい人は「ねんきんネット」でシミュレーションできる。また、「50歳未満でも、将来の受取額を知りたい場合、自分で目安を計算することは可能です」(井戸さん)。(*2 年金を受給するには加入期間が10年以上必要)

 計算方法は簡単。厚生年金で増える金額は「(平均年収(*3)÷百万円)×退職までの年数×5500円」。国民年金で増える金額は「今後の加入年数×2万円」となる。(*3 上限あり)

 例えば、いま45歳で退職まで15年、平均年収が700万円とすると、厚生年金は「7×15×5500=57万7500円」、国民年金は「15×2万円=30万円」が増えることになる。これを現時点での加入実績に応じた年金額(上図の(A))に足した金額が、将来の年金の見込み額となる。

 「注意点は、ねんきん定期便の数字は、手取りではないこと。課税額に達していれば、税金がかかり、社会保険料も差し引かれます。通常は1割、年金収入が多い人は2割近く手取りが減る可能性があります」

 厚生年金のモデル世帯(*4)の年金額は22万1277円だが、その場合、手取りは19万7000円程度。ただし、このモデル世帯は恵まれた世帯だ。年金額の平均値は20万円程度で、手取りはさらに低い。ちなみに社会保険料には上限があるため、現役時代に稼いでいた世帯でも、妻が専業主婦の場合の年金額は額面で25万円程度が最大値になる。(*4 夫が平均標準報酬額(賞与含む月額換算で42.8万円)で40年間就業、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯)

 「将来の年金減額までを想定するのであれば、見込みの手取り額から2割引いた金額を計算。毎月の生活費とその金額を比較して、不足する部分を、iDeCoやつみたてNISAなど税制優遇のある制度で作っておきましょう」(井戸さん)

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