個人情報保護法や企業の内部統制が追い風
稟議書や見積書などのビジネス文書が、課長、次長、部長、役員と、それぞれが印鑑を押し、最終的に決裁される。会社ではよく見られる光景だが、これを電子化すればビジネスチャンスがあると考えたのが、ネクステージ社長の傍島祥夫だ。
個人情報保護法や日本版SOX法にも対応する電子決裁システム |
2004年に傍島は、電子印鑑を使った電子決裁システムを生み出した。社員がパソコンで稟議書を作成し、それをサーバに送ると、自動的に決裁権限のある上司に承認依頼メールが送られる。
その上司はメールに記載されたURLに接続し、IDとパスワードを入れると、サーバが決裁しなければならない文書を呼び出してくれる。
あらかじめ、チップが内蔵された電子印鑑を作っておき、承認の場合は承認をクリックするだけで画面上に赤い印影が押され、上司である次の承認者に自動的にメールを送ってくれるのだ。パソコンのみならず、携帯電話でも利用でき、出張中でも急ぎの決裁ができるという。
「ただのペーパーレスではない。仕事の効率化につながるのだ」と傍島は強調する。
たとえば、サーバが承認の必要な文書を、日付や重要度によって自動的に並べ替えてくれるので、急ぎの文書から決裁できるという具合だ。さらには、承認の必要な文書が今、誰のところにあるのか、進捗状況もサーバでわかるため、意思決定も速くなる。また、承認には「条件付きで賛成」などのコメントも書き込めるようになっているので、情報も共有できる。