注目材料目白押しとなった先週は、トリを飾った米国雇用統計の結果が市場予想よりかなり良いものとなり、「ポジティブ・サプライズ」となったことから、米ドル高へ反転しました。

 前回のコラムにも書きましたが、米ドル安がこのあたりで一段落し、米ドルはいったん反発するのでしょうか?(「11月はポジション大転換が起こる月。米ドル安相場もいよいよ反転か」を参照)。

 実は、米ドル高に転換した場合、それは小幅なものではなく、1カ月で5円程度も急反騰するような米ドル高になる可能性がありそうなのです。

連続米ドル安が一段落した後、相場はどうなる?

 下の表は前回のコラムでも説明したものですが、5月から10月まで「×印」、つまり「米ドル安・円高」が6ヵ月間続いたことがわかります(「11月はポジション大転換が起こる月。米ドル安相場もいよいよ反転か」を参照)。

 このような「米ドル安・円高」の連続記録は、7ヵ月間がこれまでの最長で1回、今回と同じ6ヵ月連続も1回しかなく、その意味では経験的に、この11月か12月に「米ドル高・円安」へと反転するという見通しになります。

 今回と同じように、半年以上続いた「米ドル安・円高」が一段落した過去のケースでは、その直後はどんな展開になったのでしょうか?

 この表で見ると、具体的には2000年1月と2004年2月がそれに当てはまりますが、それぞれ5円前後も「米ドル高・円安」となっていて、1カ月間の値幅としては比較的大きなものになっていました。

 つまり、長く続いた米ドル安が終わった直後は、米ドルが1カ月間に4~5円も急反騰していたのです。

 もし、今回も同じような値動きとなるならば、半年以上続いた米ドル安が一息ついた後、この11月か12月のどちらかに4~5円程度の米ドル急反騰が起こりそうなのです。

米国の金利が上がれば、米ドルも反発に向かうのか?

 それでは、米ドル/円は本当に4~5円も急反騰するのでしょうか?

 急反騰が起こるとして、それは11月なのか、それとも12月になるのか、その手掛かりは米国の金利ではないかと思っています。

 下のグラフを見てみると、9月頃まで米ドルの下落と連動してきた米国の金利でしたが、下がり続ける米ドルを尻目に、足元では米国の金利が反発気味になっています。

 この米国金利の反発がより確実になってくると、米ドルもそれを追いかける形で反発に転じるのではないでしょうか?

 11月上旬に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加の金融緩和が決まると、米国の金利はいったん低下しました。

 しかし、その週の金曜日に結果が判明した米国雇用統計が市場予想よりも良い結果で、「ポジティブ・サプライズ」になると、米国の金利は上昇しました。

 そこで、米国の長期金利(10年物国債)と代表的な米国の景気指標であるISM製造業景況指数を重ねたグラフを、次のページで見てみましょう。

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