「最初から販売目標を達成する!そして近隣店舗のなかで1位になる!」

 全員が「そんなことできるわけない」と心のなかで思っていたかもしれませんが、私は大真面目でした。

やるからには1位をとる。リーダーがその意気込みを示さなければ、スタッフも本気になってくれません。

 これもまた次回、詳しく説明しますが、「危機感」「存在感」「達成感」「満足感」をチームメンバーに与え、定着させること。これが目標を達成するための「力」になります。

 そして実際に私は、当初の宣言通りに目標を達成することができました。

 決して優等生ではなく、ひとクセもふたクセもあるようなメンバーばかりでしたが、そんな個性的な集団だったからこそ、団結したときに爆発的な力を発揮してくれて、目標を達成できたのです。

200メートル圏内に7店舗が
ひしめき合うエリアで新参者が勝つ

 その店にはスタッフ以外にもう一つ、不安な要素がありました。立地です。

 店は国道沿いに立地していたのですが、すぐ隣、あるいは道路を挟んで向かい側に、トヨタ自動車直営の中古車店と、トヨタ系列の販売店が軒を連ねていました。

 さらに、他の自動車メーカー系列の店舗も含めると、200メートル圏内に計7社の販売店がひしめき合ってモール街を形成していました。

 お客様から見れば、ここへ来ればいろいろな店の車を一度に見られるので非常に便利。

 しかし店舗側から見れば、近隣店舗との競争はこれ以上ないほど激しいエリアといえます。他の系列とはもちろん、同じトヨタ系列とも競争していかなければならないからです。

 そんな環境に私たちは、新参者として乗り込んでいったわけです。