環境的にはネガティブ要因ばかりのように思えますが、私はポジティブに捉えていました。
まず立地条件については、モール街を形成しているため、お客様が集まりやすいというアドバンテージがありました。
周囲の店との競合についても、問題ではないと捉えました。
隣接しているトヨタ系販売会社はそれぞれ異なる層をターゲットとした品揃えをしていますが、実際にはかなりの車種を重複して販売しています。そのうえ、直営の販売店なので、価格面では大きな差を付けられません。
差を付けるとしたら、接客対応やアフターサービス、店舗の快適さといった部分しかありません。
自動車に限らず家電などでも同じですが、お客様は高価な買い物をするとき、価格だけで決めるものではありませんよね。
価格は多少高くても、「店員が親切に対応してくれた」「アフターサービスが充実していそうだ」「店内がきれいで快適だった」といった理由で買う店を選ぶこともあります。
そのような選ばれる理由をつくるのは、結局のところ「人」です。
つまり店舗スタッフの質を高めれば、近隣の競合店舗にも勝つ可能性は十分にあるということです。立地は自分の力ではどうしようもできませんが、スタッフの質はこれからいくらでも高めていくことはできます。
そう考えて私は、スタッフ一人ひとりの育成を熱心に行いました。また、個人プレーよりもチームワークを重視し、目標を連続して達成するためのマネジメントに力を入れました。
その結果、近隣店舗のなかでも一番の売上を実現できたのです。
リーダーとしての務めは何か
リーダーとしての務めは何かと問われれば、私はこう答えます。