私のチームのスタッフはひとクセもふたクセもある者ばかりで、個人成績も悪い。そんな彼らを率いてチームで成果をあげなければならないのに、なかなか思うようにいかない。目標数値の半分にも到達しない月が続くこともありました。

 そんな私のチームでしたが、3年後には店舗でトップをとるまでに成長することができました。

 その後、周辺に競合が多く、難しいといわれていた新店舗をまかされて、オープン初月からトヨタ史上最高となる48ヵ月連続で新車販売目標達成の記録をつくることになります。

 私のチームがつくった記録は社内で衝撃をもって受け止められただけでなく、社外の人の耳にも入り、雑誌「プレジデント」のトヨタ特集のなかで6ページにもわたって紹介され、トヨタ自動車出身で数々の著書がある若松義人さんの『トヨタのリーダー 現場を動かしたその言葉』(PHP研究所)内でも取り上げられました。

 偉大な人物の提唱する高度なリーダー論ではなく、現場の叩き上げの人間が実践で身につけてきた泥臭いリーダー論が、たくさんの人の興味関心を誘ったのかもしれません。

どんなメンバーでも必ず結果を出せるチームづくり

 長年の現場経験でわかったことは、チームで成果を出すには、メンバー1人ひとりが自発的に行動することが大事だということです。そのためには、目標を明確にすることが重要であり、絶対に達成するという心持ちでいなければいけません。

 そこで私は、チームとしての目標を達成するために、4つの「感」と4つの「力」を用いるようになりました。詳しくは次回、説明しますが、人間である以上、これらの要素だけを持っていれば、どんなメンバーでも必ず結果を出せるチームになります

 目標を達成し続けることは困難なことではありますが、大きな喜びでもあります。その背景にはスタッフの成長はもちろん、リーダーである自分自身の成長があるからです。