筆者 「広告アニメはなぜ普及しないのですか?」

エヴァのガイナックスはなぜスバルと組んだ?<br />美少女アニメ「放課後のプレアデス」誕生秘話(下)ガイナックスのアニメーション制作部制作デスクの高橋祐一氏(右)、同インターネット事業部部長の小倉由美子氏(左)

高橋氏 「アニメが広告として使われることは、制作スタッフが嫌がるからです。我々は自分の気持ちをアニメにしたい、画に描きたいので。仕事、仕事で(制作)現場で画を描くのではないのです。特にガイナックスにはそういう風潮があります」

筆者 「そうしたアニメ業界の一般常識を覆すように今回、スバルの企画を受けた訳ですが、進行状況はどうだったでしょうか?」

高橋氏 「本来なら、この企画は何年もかかるプロジェクトです。オリジナル作品ですと、通常はシナリオ作成期間として"最低2年"は欲しい。(制作)現場では3~4ヶ月必要です。ところが今回のプロジェクトは、(事実上)6月下旬あたりに始まりました。1分や2分といった長さのPV(プロモーションビデオ)のアニメで、クルマ関連物を考えることはありますが、今回はオリジナルのシナリオで作品として高レベルで主人公のキャラクターを大事にしてくれ、という要望です。これはガイナックスとして大きな挑戦でした」

筆者 「そうした前例のない短期間での制作、実際にやってみてどうでしたか?」

高橋氏 「2社の考え方が全く違うんです。それがある種、物凄い刺激でした。スバル側から無理難題がト~ンと飛んでくる。基本的にガイナックスは挑戦を受ける会社です。何か新しいカタチに挑戦したいというところがあります…。それに、この企画の最初の段階で、当社の武田(康廣取締役)が僕に『これ、スバルだよ』って持ってきたのです。新しいやり方で、新しいスケジュールで、新しいものづくりでという挑戦ですから、後は気持で動かすしかない。そんな感じで始まりました」

 上記の『これ、スバルだよ』という言葉には、2つの意味が込められている。

 ひとつは、高橋氏が元々、スバルユーザーであること。愛車は長年「レガシィB4 RSK」だ。高橋氏は「走っている時の一体感。走っていると徐々に落ち着いてくる。高速走行中にブレがない。運転していることに気を使わない。クルマと一緒に前に進んでいる、というイメージが強い。分かって頂けますか、この感覚」と、スバルファンぶりを披露してくれた。