何百人もの視線が集中するランウェイ(花道)で、20代と思しき女性が少し恥らいながらセクシーポーズを決めて見せた。ただ、その仕草は何ともぎこちない。

  それもそのはず、彼女はプロのモデルではなく、子持ちの主婦。さらに驚くべきはその年齢だ。肌は瑞々しく、スタイルも抜群なのだが、齢40を超えていた。

 じつはこれ、11月末に東京・青山で開かれた第1回「国民的“美魔女”コンテスト」の一コマ。応募した2500人のアラフォー“美魔女”たちのなかから、最終選考に進んだ21人が、若さと美を競い、会場からは何度も驚きの声が上がった。

 “美魔女”とは、女性誌の造語で、「『外見美』と『知的美』を兼ね備えた年齢を感じさせない美しさを持つ30代後半以上の女性」を指す。

 巷では、この“美魔女”がブームを巻き起こしつつある。人気の火付け役である女性誌「美ストーリー」は、創刊から2年ながら実売部数で美容月刊誌のトップに立つ。

 そればかりではない。“美魔女”たちは今、一つの“市場”になりつつあるのだ。

 そもそもこのコンテストは、“美魔女”世代に商機を見出した企業にバックアップされていた。

 たとえば、美容にも良い乳酸菌飲料を売り出しているカゴメや、エイジング下着に力を入れるワコールをはじめ、ビューティークリニック、芸能事務所などの企業だ。 

 最終選考に残った21人は今後も、「チーム美魔女」として活動していく。美白キャンペーンを展開する化粧品会社とのコラボ計画のほか、生命保険会社やスポーツ用品の会社も彼女たちに興味を示しているという。

 30代後半から40代である“美魔女”世代は、バブル世代と重なる。“嫌消費”傾向の強い20代~30代前半と比べると、金銭的にも余裕のある“美魔女”世代の消費性向ははるかに高い。

 美ストーリー編集部は「30代から40代女性の家庭生活や働く女性としての経験からくる意見や本音は、企業や社会にとって重要な声になっている」と指摘する。

 モノが売れない時代にあって、企業は美に貪欲で消費志向の強い“美魔女”世代の取り込みを図ろうと必死。早くも“美魔女”争奪戦の様相を呈している。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山口圭介)