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デジタル時代のプラットフォーム戦略

――カテゴリー・プラットフォーマーの出現

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第61回】 2016年10月7日
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 今後、デジタルビジネスの戦略を検討する際には、こうした業種の壁を超えた発想が必要となるであろう(図4)

出典:ITR

求められるのは
デジタルエコシステムの中での位置取り

 このようにカテゴリー・プラットフォーマーにとって重要な戦略は、プラットフォームに蓄積される大量データを分析することで、自社のマーケティング力の向上や関連事業の拡大を図り、カテゴリーにおける支配力を増大することである。さらに、分析結果の他プレーヤーや他業界への有償販売、データを活用した異なるカテゴリーへの進出などにより、周辺領域に影響力を拡大していくことにある。カテゴリー・プラットフォーマーが、特定の分野でこのような支配力を持つようになると、その牙城を崩すことは極めて困難となる。

 特定の業種や技術分野でデジタルエコシステムを形成しようとするカテゴリー・プラットフォーマーが台頭してきており、その勢いは増すことが想定される。今後、注目すべきは各分野のデジタルエコシステムの中での位置取りである。自らカテゴリー・プラットフォーマーとなることを目指すのも1つの選択肢となるが、すでに特定の分野で地位を確立しているカテゴリー・プラットフォーマーが存在する場合は、そことどのような関係を構築するかという点が重要な判断となろう。

 今後、企業がデジタルビジネスに取り組むにあたっては、その分野で形成されていくデジタルエコシステムの全体像を的確に捉え、その中での自社の位置づけを把握し、どのような分野でどのようなタイプのプレーヤーとなることを目指すのかを明確にすることが求められる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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