1ラウンド!追い込まれたJALの渾身の右ストレート

 JALは、コーナー間際に追い込まれていた。相手はJR東海。
 追い込まれたのには理由がある。
 2003年に東海道新幹線に新駅・品川駅が誕生し、新幹線の最高速度が270kmに高速化されたことがある。
 東京・新大阪間は約2時間20分台に、東京・名古屋間は、約1時間30分台に大幅短縮。品川駅誕生によって、さらに利便性がよくなった。

 そこで焦ったのが航空会社だ。
 なぜなら飛行機の東京発着地である羽田空港の利便性はよくない。
 飛行機の時間も不正確、便数も新幹線には遠く及ばない。
 そこへきて、競合である新幹線の利便性向上と高速化は相当な脅威になったのである。

「新駅誕生」「高速化」とJR東海が、つぎつぎに繰り出すパンチの間隙をぬって、JALが強烈な右ストレートを放つ。

のぞみへ。先に、行ってるね(ハートマーク)
(出典)日本航空株式会社

 サブタイトルも入れると、以下がコピーの全貌だ。
空は、速い。空は、安い。
 のぞみへ。先に行ってるね(ハートマーク)
 JALで飛ぼう

 JR東海のスピードの象徴である「のぞみ号」を意識し、スピードでは、飛行機のほうが速いのだよ、と強烈なカウンターパンチを当てにいっている。