肩や腰が重くなるスイングには
疑問を持とう
踏ん張って立つことも、壁を作ることも、ゴルフでは当たり前のように広まっていますが、じつは体は悲鳴をあげているのです。そんな状態でホールをまわったら、体にどれだけ負担がかかるでしょうか?
また、スイングの際に無理やり体をねじることも問題です。
一般的に、ゴルフではクラブを振り上げる際に体をしっかりねじることで、クラブのヘッドスピードが加速すると考えられています。
しかし、いくら体をねじって力強くスイングしたところで、上半身と下半身の力が相殺されるため、飛距離につながることはありません。
好不調の波というのは、体の使い方が悪ければ誰であっても起こるものです。
多くの人は、体の使い方のコツがつかめていないため、プレー以前に、調子を整えることに四苦八苦してしまいます。
生まれつきセンスのいい人は、そうした体の使い方のコツを感覚的につかみとっているわけですが、もっと上達しようと考え、体に合わないトレーニングをすることで、その感覚が失われてしまうこともあります。早熟の天才が大成しなかったり、未完の大器と呼ばれ続け、実力を発揮しきれずに終わったりするのはそれゆえでしょう。
いずれにせよ、迷ってしまった時に意識すべきポイントは「心地よさ」です。
いつの間にか笑顔が消えてしまっている自分に気づいたら、思わず笑顔になれる、そんな心地よさを取り戻すようにアプローチしていくことが大切です。
ゴルフの場合も、思うようなスイングができなくなったら、心地よいスイングとはどんなものか問いかけてみてください。
地面を踏ん張ること、体をねじること、筋力を使って思い切り打つこと――今までいいとすすめられてきたことが心地いいと感じられるのであれば、そのまま続けてもかまいません。でも、スイングしただけで肩や腰が重くなり、腕が思うようにまわらなくなってしまう現実に気づいたら、そこで疑問を持つべきです。
違和感があるのなら、それを可能な限りやめてしまい、代わりにまったく反対の動作を取り入れていけば道は開けてきます。
ゴルフに当てはめてみるならば、地面に踏ん張らない、体をねじらない、いたずらに筋力に頼らない――この本で解説してきた体の使い方を、そっくりそのままスイングに応用してみると、プレーの質が一変するはずです。