まず、脚を肩幅くらいに広げ、スイングのポーズをとった状態で、「薄氷の上に立った状態」をイメージしてください。
 踏ん張ったら氷が割れて、水の中に落ちてしまいますから、イメージしただけで体の力が抜け、立ち方が変化するのがわかるでしょう。
 まさにこれが「居着かない動き」にあたるわけですが、あまり難しいことを考えず、そのイメージのままスイングしてみてください。

 ただスイングの真似ごとをするだけでかまいません。1回スイングしたあとに腕をまわしてみると、とてもスムーズにまわることに気づくはずです。これだけでピンと来ない人は、地面に思いっきり踏ん張った状態でスイングしたあとに腕をまわし、両者を比較してみると違いがわかるでしょう。

 もちろん、実際にクラブを使ってスイングすれば、よりハッキリ感じられるはずです。高度なテクニックを学ばなくても、ただ踏ん張らないように心がけるだけで無駄な力が抜け、心地よいスイングができるのです。
 野球のスイングにも、テニスのスイングにも同じことが言えますが、その動作をすることで体が心地よいと感じるかどうか?理論を離れ、この点に目が向くようになると、これまでの常識が一変していきます。

 ゴルフに熱心に取り組んでいる人ほど、これまでの理論にこだわってしまいがちですが、「ラクに立つ」ことがボールを遠くに飛ばす一番の基本なのです。ある程度フォームを整えることも必要になりますが、踏ん張るのをやめるだけでも体幹がゆるみ、上半身と下半身が連動しやすくなります。
 あれこれ難しく考えてスイングしていたことが噓のように、会心のスイングが体感できるようになっていくでしょう。