いわゆる「真性フリーライダー」は少数派?
大多数が「仮性フリーライダー」という現実
ここ数週間で掲載された「粘土層タダ乗り社員」や「女性タダ乗り社員」の記事については、大きな反響をいただいている。
その理由は、多くの読者にとって「あるある」と身近に感じられるような事例を、多くとりあげたからだろう。
しかし、「あるある」と共感するだけでは、話は先に進まない。タダ乗り社員たちと同じ職場で働く上司や同僚たちは、彼らにどう対処したらよいのだろうか。
その前に、1つ考えておくべきことがある。そういったタダ乗り社員は、個人の性格に原因がある「根っからの真性フリーライダー」なのか、それとも置かれた環境がその人をフリーライダーたらしめてしまったのか、という点だ。
拙著『フリーライダー――あなたの隣のただのり社員』の中で紹介している分類とは違う軸での分類だが、私たちは基本的にフリーライダーには3種類いると考えている。それは以下の通りだ。
・「真性フリーライダー」:どんな環境でも隙があればタダ乗りしたがる。タダ乗りしていることを認めようとしない、あるいは正当化する。
・「仮性フリーライダー」:タダ乗りできる環境が与えられているためにタダ乗りする人々。あるいは「単純にここではタダ乗りしてもいいんだよね」という考えに染まっている人々。
・「防御型フリーライダー」:タダ乗りする気はないのに、前述した2種類のフリーライダーに搾取されるのがバカバカしくなって、自分もタダ乗りしてしまう人々。連載第2回で述べた「腐ったリンゴ効果」の犠牲者。