「優秀な人間」から「専門バカ」
に成り下がっていないか?  

 では、「世の中に認められるような仕事」とはどのような仕事でしょうか。もしかしたら期待を裏切ってしまいますが、それはシンプルに、「世の中のためになる仕事」です。自分の会社だけのため、ましてや自分の栄達のためだけの仕事であれば、周りがその仕事を認めるはずがありません。

 まず、社会のためになる。そして自社のためにも自分のためにもなる、そんな仕事です。

 ところが人間というのは横着な生き物です。心を強く持たないと、30代で旗印を掲げ一角(ひとかど)のプロになると、どうしてもそこに安住しがちです。自分の殻に閉じこもってしまい、「私は何々の専門家だ」と自己規定して自らの視野を狭めてしまうのです。

「プロとして上り詰めた。完結した。もちろん、腕は磨き続けるし、情報は更新するけれども、ここまで来たら他の道は考えない」――そんなふうに思い始めるのです。そうなるとどうなるか。

 言葉は悪いですが、世間の評価はかつての「優秀な人間」から、そのうちに「専門バカ」「了見の狭い頑固な職人」となってしまい、いつの間にか周りから、社会から評価されない、期待されない人材になってしまうのです。「その程度のプロはいくらでもいる」というわけです。

 そうならない道が社会人材への道です。大切なのは気持ちをどこに向けるか、なのです。何も高尚な話ではないですし、きれい事でもない。期待され、感謝され、将来にわたり健康でいたいなら「社会人材を目指せ」ということです。