子どもにとって一生の「得」になる8つのこととは?
その願いを形にしたのが、この本です。
私は、脳科学者でも児童発達の専門家でもありません。子育ての本を執筆するにあたっては、ジャーナリストとして15年の経験を、科学データを吟味して育児疲れの親でも読みやすい文章に落とし込むことに役立てました。
私自身の育児体験も盛り込みました。ありがちなエピソードですが、「子育ては、大変だけれど楽しくて笑いがいっぱい」というイメージをお伝えできればと願います。
本書では主に6歳までの時期を重視しています。理由は、人生のなかで最も変化が大きい時期だから。動作、言語、情緒、運動能力――30歳と31歳では大差がありませんが、1歳児と2歳児なら、日々、目が離せないほど変わります。脳の90パーセントは生後5年間に発達するのです。
だから最初の数年間が鍵なのです。この時期に親は、わが子が成功する大人になるための下準備をすべきです。この時期に身についた学びは、子どもが6歳より大きくなってからも、ずっと活用できることでしょう。
ここに書かれたテーマ――愛情、語りかけ、生活習慣、遊び、つながり、しつけ、動く、スローダウン――は、生後2ヵ月でも、2歳でも、5歳でも、15歳でも、そして50歳でも、私たちが人間である限り、大切なことです。
また、本書は、実験・研究データに基づいて書かれています。研究データを取る際には、答えを得るためにあらゆる種類の「変数」を想定し、偏りをできるかぎり排除しますので、入手する側にとっては、これほど厳選された質のいい情報はありません。