焼き鳥は、本当に串に刺さっていなければいけないのか?

 さて、この論争の決着点だが、身も蓋もないことを言ってしまうと、「各々が好きなようにすればいい」ということに落ち着くように思う。串から外して食べたければそうすればいいし、串のまま食べたいならそうすればいい。串から外して取り分けようとする人がいる中で、串にカブリつくのは勇気がいるかもしれないが、串に対して強い思い入れがあるなら、ストロングスタイルを貫き通せばいいだけのことだ。

 また、店側がどうしても串から外してほしくないなら、串揚げの「ソース二度づけ禁止」のように、「串から外すのお断り」というルールを作ればいい。その店主の思想に賛同する人は常連客になるだろうし、そうでない人は足が遠のくだけのことである。

 ただ、“実利”と“こだわり”を両立する術はないだろうかとも思う。ブログの店主は、串から外すならフライパンで炒めても同じとするが、実際に炒めるタイプの焼き鳥は存在する。一例が、ご当地グルメとして知られる愛媛県の「今治焼き鳥」だ。

 今治市のホームページによると、「熱々の鉄板の上から、大きな鉄のコテで肉を押さえ、ジュージューと豪快に焼く個性的なスタイル」の焼き鳥だといい、商売人が多く、“せっかち”で待つのが嫌いな気質から、当地に定着したのだという。店舗ごとにこだわりのタレがあり、とくに皮焼きが名物なのだとか。とても美味しそうだ。

 そのほか、セブン-イレブンでも「焼き鳥の盛り合わせ」という串から外した焼き鳥の惣菜が販売されている。塩、タレ、つくねに、ミソ風味の調味料がついたこの商品は味、ボリュームともに申しぶんなく、筆者も晩飯のおかずとして重宝している。

 さらに、どうしても串にこだわるならば、ハツ、つくね、レバーといった定番メニューを一つずつ一串に刺した“バラエティ焼き鳥”を開発してみてはどうか。火加減、塩加減など調理に工夫が必要になるものの、そこは腕の見せどころ。すでにそういったメニューがあるかどうかはわからないが、きっと人気が出ることだろう。