しかもアマゾン・ゴー方式は商品の補充や見切り(値下げ)などに威力を発揮する可能性を秘めている。カメラとセンサーで常に売り場を監視しているから、商品量が減ればアラームを鳴らして補充作業が進められる。また、自動発注など業務の効率化にも役立つとみられている。

日本でも始まっていた
ローソンとパナソニックによる実験

 こうした映像情報を使い顧客の購買動向を知る実験は、すでに国内のコンビニでも行われている。ローソンはパナソニックと組んで、大阪の店舗「ローソンパナソニック前店」でアマゾン・ゴーの実験が始まる2年以上も前から実験を始めている。店内に設置した6台のカメラが、店内における顧客の動向を探り、マーケティングに役立てる実験である。

 ただ未だに普及段階に入っていないところをみると、まだ実験を続けていると思われるが、ローソンの動向はさておいて、このアマゾン・ゴーの凄みは、やはりカメラやセンサーで取り込んだ画像データをAIで処理して、レジによる決済を不要にする機能を備えていることだろう。

 日本ではICタグによる決済の簡素化の実証実験が進められようとしている。コンビニ大手3社でICタグを使い、物流の効率化、店内での購入後の決済の実験を行っている。ICタグはかなり低価格化が進んできたが、依然として1枚10円以上しており、高値に張り付いたまま。コンビニで販売しているような1個数十円から100円前後の商品に張り付けてペイするような局面にまで、まだ来ていない。経産省もそれを見越して、コンビニ大手3社が本格導入を図れば量産効果が出てくるのではないかと、コンビニに活用を促している格好だ。

 仮にICタグ1枚数円、数十銭という単位になり、、爆発的に普及が進めば、コストがかかるアマゾンのカメラ、センサー、AIを使ったアマゾン・ゴー方式も日本では意味をなさなくなる。

 日本のガラパゴス的な進化といわれるかもしれないが、ICタグが普及拡大すれば、アマゾン・ゴー的な決済方法は不要なのである。日本の消費者はいまだ現金主義で、少額決済はクレジットカードすら利用しない人が大多数である現状を考えると、国内の流通業は一気に「アマゾン・ゴー」の領域に入りそうもないのである。