世界初の水素に関するグローバル・イニシアチブとして水素協議会(Hydrogen Council)が発足した。使用時にCO2を発生しないクリーンな燃料・エネルギーとして注目されている水素。将来のエネルギー移行に向けたひとつの主要な解であると位置づけられている。
ダボスで発足した水素協議会はエネルギー、運輸、製造業の世界的な13社で構成されるもの。水素を利用した新エネルギー移行に向けた共同のビジョンと長期的な目標を提唱するグローバル・イニシアチブ(活動体)である。
「水特長を有する多様性あるエネルギー」(トヨタ)という水素。関連の技術と製品は、この数年の間に大きく進化し、次第に市場に投入されつつある。
クルマでいえばトヨタMIRAIやホンダのクラリティフューエルセルはいち早く水素を分解して電気を取り出して走る燃料電池車を市場に投入している。さきごろ発表されたレクサスLSにも水素で走るモデルが設定されるという噂も。
「政策立案者、ビジネス界、水素を利用する会社、国際組織、市民団体など、多くの主要ステークホルダーと協働しながら、水素利用の推奨策を示し、共同の目標を達成していくことを目指しています」
トヨタ自動車によるリリースには水素協議会の目標が掲げられた。水素および燃料電池の開発と商業化に関し、現時点で約14億ユーロ/年と推定される大掛かりな投資をさらに加速させていく、としている。
2017年1月のダボスにおける第1回の水素協議会の会合には様々な製造業およびエネルギー会社の13人のCEOと会長らが参加。
2015年のパリ協定で合意された「(気温上昇を)2度C以下に抑える」目標の達成を目指し努力しているという。
現在、カウンシルに参加している企業は、Air Liquide、Alstom、Anglo American、BMW Group、Daimlar、Engie、本田技研工業、Hyundai、川崎重工業、Royal Dutch Shell、Linde Group、Total、トヨタ自動車。Air Liquideとトヨタ自動車がいまは議長会社となっている。
「Hydrogen Councilは、水素技術とその便益を世界に示しリーダーシップを果たしていきます。当カウンシルは、協働、協力、相互理解を政府や産業界から、そして何より重要なことではありますが、一般の方々から得ていくことを目指しています」
燃料電池車の導入などを通じ、環境と関連技術の進捗を先導する役目を果たしてきたと自負するトヨタ自動車の内山田竹志会長の言葉だ。