リーダーシップをいかに育てるか。企業経営にとってこの命題の重要性は、震災後さらに重みを増している。世界に学ぶ人材戦略の第2回は、米国の大手金融サービス機関、プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であるプルデンシャル生命保険のジョン・ハンラハン社長兼CEOに話を聞く。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長、麻生祐司)

ジョン・ハンラハン(John Hanrahan)
1956年生まれ。1978年スティーブンス・インスティチュート卒業後、プルデンシャル・インシュアランス・カンパニー・オブ・アメリカに入社。主に国際畑を歩んだのち、2010年1月にプルデンシャル生命保険の代表取締役社長に就任、現在に至る。Photo by Toshiaki Usami

――プルデンシャル生命で評価される人材の共通項は何か。

 それに答えるためには、生命保険ビジネスの特徴をまず説明する必要があるだろう。他業種に属する企業の多くは、ビジネス継続のために、毎年新しい顧客を開拓し新しい売り上げを立てることにむしろ傾注するのだろうが、われわれの世界は時間軸が少し違う。保険商品を販売してからが重要になる。長年にわたり保険料をお支払いただいた顧客に対して、われわれが実際に保険金をお支払いするのは数十年後ということもあるのだから顧客からの信頼が最も大切だ。

 加えて、保障性の商品は、自分自身のために購入する他の多くの商品とは異なり、家族など愛する人たちのために購入するものだ。そうした特長を持つビジネスに携わる者は、細部にまで心が行き届き、信頼に足る自戒自重型の人間でなければならない。

 日本では、1992年に会社の核となる理念のひとつとして「コアバリュー」を導入した。競争などに勝ち、成長することはもちろん重要だ。それもコアバリューの一項目に入っている。しかし、勝つことに加えて、顧客に焦点をあわせること、信頼に値すること、また(社員同士)お互いに尊敬しあうことが大切だ。そうした意識を共有できる人材をわれわれは欲しているし、高く評価する。

――しかし、あなたがいま話したようなコアバリューの実践は、言うは易く行うは難しい。リーダーとして、社員にどのように徹底を図っているのか。

 いうまでもないが、コアバリューを明記し、社員に教育を施している。ただし、紙に印刷して渡したり、ホームページに掲げたり、研修に参加させたりするだけでは、もちろん真の意味において社員の心には根付かない。

 大事なことは、コアバリューを実践することであり、当社では実践している社員を、周囲に目に見えるかたちで表彰している。