高田純次さんの最大の魅力は
「裏切り」

――高田さんとのお付き合いは長いですが、著者としての高田純次さんってどういう人?

中鉢 そうですね、安請け合いをする人(笑)ですね。だいたいお願いすると「はいはい」って受けてくれて、あとで覚えていない。

 誤解されないようにちゃんと言うと、非常に有能はマネージャーさんがついているんです。彼が、高田純次はどうやって歩んでいくべきかを、すごく真剣に考えている。どれだけ割りのいい仕事でも、高田純次というブランドが損なわれる仕事は、頑として請けないんです。こういうマネージャーさんが側についているのがわかっているから、高田さんは適当に返事をしていられるんだなって思います。

――高田さんの面白さって言葉にするとどうなるでしょう?

中鉢 高田さんの基本は、自分をダシにして笑いを取るタイプなので。あとは、相手を持ち上げて落とすパターンでも、みんなが笑えるでしょという了解ができているパターンじゃないですかね。

『適当日記』(前編)<br />ダイヤモンド社らしくない本は<br />こうして生まれた中鉢曰く、「高田さんらしさが出ている」箇所。
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――特に個人的に好きなフレーズは?

中鉢 よくあるパターンなんですけど、例えば、166ページ。6月22日とか。

 高田さんらしいのは、こういう「裏切り」ですね。相手が期待していたリアクションをあえて外す。多分、こんなこと言った後に、ちゃんと食べていると思います。でもこう言うのがサービス精神から出る人ですね。

 あと、脚注は最後に僕が高田さんに質問した内容が書いてあるんですが、「高田さんの言っていることは9割嘘って本当ですか?」って聞いたんです。そうしたら、高田さんは「誰がそんなこと言ってるの? 9割5分だよ」って。これも裏切りですね。