いい加減なのも、下品なのも著者の魅力
それを適度に最大限活かすのが大事な仕事

――よく高田さんが受けて下さった?

中鉢 はい。僕もそう思います。普段あまり文章を書かれる方ではないんです。日記書いてどういう本になるかもわかっておられなかったでしょうし、何を書いていいかもわからなかったと思います。だから無茶な企画なんですが、その高田さんが嫌々ながら書かされる、というのが企画の面白さだと思っていました。

 だから、正直なところ、「これ、全然『日記』じゃないじゃん!」という日もあります。だから適当日記なんですけどね(笑)。

――ちゃんとしてないところが企画の味噌って稀有な本!

中鉢 むしろ、これでも割とちゃんと書いてあったんです、高田さんとしては。

 読んだ方は、「なんて日記じゃない日記なんだ」とか、「一日分がこんなに短いなんて」って思われるかもしれないです。でも依頼した僕としては、こんなにちゃんと毎日書いてるって!(笑)

――読んでみると、なんと言うか、つまりあまり上品といえないネタも多い。

中鉢 いわゆる「下ネタ」ですよね。これは相当注意深くやりました。結論から言うと、相当、「下」は削ってしまいしたね。これはもう高田さんとの仕事では、とても重要な部分になるんですけど、最初から「下」が多くなるのは覚悟していて、それを注意深くかつ大胆に削るのが、僕の大事な仕事なんです。

――大事な仕事? 一方で、その「下」を読者は期待しているところもある。

中鉢 そうですね。もちろん僕も高田さんのファンなんで、そういうのを僕も読者も期待しています。高田さんの面白さの一つもそこですからね。でもやっぱり削る。物事にはやはり限度ってものがあるんで(笑)。ボツになった中には、もう小学生が言うような「お尻がどうした」とか、笑うに笑えないものも多いんです(笑)。面白いといえば面白いですが、それはどうかなって思うのもあって。

――それでもいまのままでも嫌だっていう人もいると思う。バランスは難しい。

中鉢 そうですね。高田さん自身、毎日毎日、本当は下の話ばっかりじゃないはずなんです(笑)。でもサービス精神発揮しちゃって、そういう原稿になってしまうんでしょうね。