割当減産枠に対する順守率が1月に低めだったアラブ首長国連邦やイラクが、その後、順守率を引き上げる意向を示していることなどから、減産はさらに強化されるとみられる。サウジなどOPECは、減産を通じて、世界の石油在庫を年央までに3億バレル減少させ、過去5年平均並みにすることを目標としているようだ。確かに減産分がそのまま在庫の減少につながれば、減産の合意期間である6カ月のうちに、3億バレル在庫が減る計算になる。

 しかし、そうしたペースで過剰在庫の削減が進む可能性は高くないだろう。まず、OPEC内では、国内に紛争を抱えて大規模な生産障害が発生しているため、減産合意の対象外となったリビアやナイジェリアが増産する動きを見せている。

 また、米国では、先行指標である石油掘削リグの稼働数が増加傾向で推移しており、シェールオイルの増産が見込まれる。加えて週次統計で速報性があるため注目度が高い米国の原油在庫は、過去最高を更新し、米国内の需給緩和を示している。

 産油国は、協調減産を7月以降も続けることを検討し始めているとの一部報道があった。5月25日の次回OPEC総会で、減産延長の可否が決定されるとみられる。

 減産延長は市場に織り込まれておらず、延長が濃厚となれば、相場を押し上げる材料になる可能性がある。もっとも、減産延長は、それだけ原油市場の需給が、OPECが目標とする均衡状態からは遠いことも意味しており、相場の上値は限定的だろう。

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)