節電対策を格付けし、
企業のステータスにする

 だが「土日営業・平日休み」にしても「夜間営業」にしても、イレギュラーな就業体制であることに変わりはない。非常事態の緊急避難的対応であるとはいえ、やはりひとつひとつの企業がどれだけ真摯に、積極性を持って協力できるか。「企業の節電モチベーション」は、大きなカギを握っている。

 そこでもうひとつの提案だが、「土日営業・平日休み」や「夜間営業」といった大規模節電を実施している企業に対して、それ相応の評価をする制度を作ってはどうだろう。

 たとえば節電への取り組みをポイント制にして格付けし、優良な企業は自治体などで表彰するのもいい。エコ認定ゴールド、シルバーなどといった格付けを設定して、取得した企業は社の名刺に刷り込めば、ISOのように企業のステータスにもなるだろう。  節電に真剣に取り組む企業を優良企業と国が認定する――やはりここでも国の出番だ。何らかのインセンティブがあれば、より一層、企業の取り組みも積極的になる。

 この夏だけではなく、冬もまたピーク時電力問題は心配だ。そうなってくると、企業の対策も長期にならざるを得ない。継続して「正しい節電」を行う企業に対しては、国としても全面的に支援し、モデル企業としてPRしていってほしい。

 国のリーダーシップと、企業のモチベーション。この両者が揃ってはじめて、官民一体の節電対策は高い効果を上げられるのである。