近隣住民の反対で保育園の整備計画が中止になるケースが相次いでいるが、一方で「保育園を運営しているということが地元での地主の評判を高めると認識され、『アパートは嫌だが保育園であれば土地活用の提案に乗ってもいい』という地主も増えている」(業界関係者)という。

保育士不足がネックに

 東京都が新たに整備する保育園数は年々増加している。過去最高だった2016年の1万4000人分の定員増加を、17年は20%以上上回る見込みだ。さらに今後地主側への優遇措置が追加されるとなれば、「保育園オーナー」として手を挙げる地主は大幅に増えることが予想される。

 問題として残るのが保育士不足だ。建物の整備は進んでも、一定数の保育士の確保ができなければ開園にこぎ着けることはできない。保育士の有効求人倍率は年々上昇しており、首都圏の自治体間で奪い合いになっている状況だ。現に、建物は建設したものの保育士不足のため開園を延期するケースも多くの自治体で出てきている。

 地主側にとっては魅力的な土地活用方法として認知が広がってきた保育園投資。だが、保育士確保や育成策も両輪として進めなければ、待機児童問題の解決には至らないだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)