内閣支持率が急落している。各社の世論調査では、20%前後まで落ち込んだ。共同の17%、毎日の19%という数字もある。一方で民主党への政権交代を期待する声は50%を超えた。
ここ数日、永田町を取材していて得られるのは、少なくない自民党議員が下野を覚悟しはじめたという感触だ。
自民党代議士会で、麻生首相に向かって退陣要求を突きつける議員も現れた。古川禎久議員は自らの言葉をこう解説する。
「今こそ小手先ではなく、本当の意味で国民の信頼を取り戻して、党が再生するために、大きな歴史的な視野、展望をもちながら臨まなければならない。国民の信頼があってこその政権なので、その信頼が揺らいでいるのであれば、大政奉還といったが、政権をお返ししなければいけないわけです。麻生首相には、それくらいの覚悟をもってこの難局に当たっていただきたい」
首相官邸にも
無気力なあきらめムード
きょう(6月17日)、麻生首相と鳩山由紀夫民主党代表による2回目の党首討論が開催された。2週間前の1回目の討論で、筆者は次のように書いた。
〈せっかくの党首討論であったのに、首相はいったい何を訴えたかったのだろう。自らの行なってきたこれまでの施政を振り返ることもなく、今後の日本政府の目指す方針について語ることもなかった。
選挙目当ての詭弁を弄し、国民には無関係の野党の前代表の公設秘書を攻撃する。それが、国民の最大の関心事だと叫ぶ。
それが、現在の日本の内閣総理大臣なのである〉
(「党首討論で西松問題攻撃に終始 麻生首相に政権与党総裁の矜持は無い」)
筆者は、今回も、討論後に国会内で何人かの与党議員の声を集めた。
前回と違うのは、麻生首相の負けだと言い切る自民党議員が多かったということだ。
驚くのは、あきらめムードが漂っているのは自民党内だけではないことだ。それは、麻生周辺にも広がっている。討論の最中、麻生側近らはテレビ中継をまともにみようともしなかったという。単に、無為に時が過ぎてくれればいいという感じであったという。